2014年7月29日火曜日

MBA心構え(少し前のものですが)

私はTuckに入学する少し前の20137月に、Tuckとは違う学校でpre-MBAプログラム(4週間)に参加していました。Tuckには2年間通うことになるので、その前に他の学校に行ってみるのも悪くないかなと思いました。その時に、これからfull-time MBA2年間)に進む学生たち向けに先生(アメリカ人)から心構えを紹介されました。内容が結構良かったので、ここにも記載させて戴きます。

尚、この先生はTuckHarvardなど授業がほとんどcase studyである学校を前提に話をしています。従って、座学を中心とした学校には当てはまらないこともあるかもしれません。また読めば分かると思いますが、一部はinternational(この場合、非アメリカ人)向けのメッセージとなっています。

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 授業に参加する。参加するとは発言すること。教授の方から何か質問してくるのを待つ必要はない。
 教授の話で聞き取れなかったことや、黒板で読み取れなかった部分の確認でも良い。或いは中身に関する疑問点でも良い。とにかくクラスでは積極的に話す。
 教授に聞かれた質問の意味が分からないのに、うなずいたりして答えない。分からなければ意味を確認する。最悪なのは沈黙。
 オフィスアワーを活用する。即ち、授業の前後にも積極的に教授と対話する。その生徒が教授の印象に残っているか堂かが、最後に『A-』と『B+』の違いを決める。
 授業中、なかなか教授に当ててもらえないこともある。それでも授業中は手を挙げ続ける。
 でも質の低い発言ばかりしていると当ててもらえなくなる。
 教授も授業を盛り上げたいと思っているので、多く話をしてくれる生徒、クラスに貢献するような発言をしてくれる生徒を当てたくなる。
 教授は自分が完璧だとは思っていない。生徒が知っていて、教授が知らないこともある。生徒の出身国、または生徒がこれまで働いてきた業界のことであれば特にそうだ。その生徒しか知らない知識、持っていない経験に基づいた発言をするのを教授は待っている。クラスの中では、全ての人間が先生である。
 Professor XXと、最初は苗字で教授のことを呼んでみよう。教授に特に指摘されなければ、professor XXと呼び続ける。中には、『ファーストネームで呼んでくれ』と言う教授も居るだろう。その教授のことはファーストネームで呼ぼう。それが、その教授があなたとの間で築きたい距離感を示している。
 『どこまで細かい質問をして良いのか』、『どこまで頻繁に質問をして良いのか』、『反対意見を出す際にどのタイミングで口を挟むのか』など感覚的な部分で分からない場合は、クラスに居る他のアメリカ人の生徒を参考にする。彼らの感度はひとつの指標になるであろう。
 授業中のcold call手を挙げていないのに突然教授に指名されて発言を求められるは存在する。その為、事前にcaseをしっかり読み込み、頭の整理をして授業に臨む。
 発言する時は、be specific
 教授の一言々々にちゃんと反応する。うなずいたり、笑ったり、質問をしたり、メモを取ったり。反応がないと、『この生徒は授業の準備をしてきていない。そして私の言っていることを何も理解していない。』と教授は思うであろう。自分と友達との会話を想像してほしい。友達が何かを話した時に、自分の反応がゼロということはあり得るだろうか。それと同じで、クラスでも、反応がゼロというのはあり得ない筈である。
 自分自身の目標を設定してあげよう。例えば、『全ての授業で必ず一回は発言する』とか。それが出来るようになったら、『二回』にするとか。
 大教室で、大勢の優秀な人間の前で、しかも自分より絶対的に英語の上手いアメリカ人も居る中で、英語で発言するのは難しいことなのかもしれない。でも話さなければならない。自分にとって居心地の良いレベル感から、少しだけ自分を押し上げてみよう。そこが適正レベルである。
 授業は全て英語。でもアメリカ人に対して卑下する必要はない。彼らはひとつの言語しか操れない。あなたは複数の言語を操れる。アメリカ人は威張っているが、ひとつの文化しか知らない。あなたは複数の文化を知っている。アメリカ人に対して、あなたの国の言語でMBAの勉強をさせようとしても無理であろう。でもあなたはアメリカ人の言語でMBAの高度な勉強をしようとしている。
 最後に、"prepare before class, participate during class."
 
よしかん(T’15

2014年7月27日日曜日

それぞれのリーダーシップ

リーダーシップと言えば、MBAの代名詞のひとつですね。これを身に付ける、或いはこれを更に磨く為に我々はビジネススクールに来ていると言っても過言ではありません。Tuck一年目の必修では、”Leading Individuals and Teams”(置かれた環境下でどのようなリーダーシップが求められるのかを学ぶ)や”Personal Leadership”(自分が個人としてどのようなリーダーシップ特性を持っているのかを客観的に評価してもらって学ぶ)といった授業があります。リーダーシップの取り方に正解はなく、状況によって異なりますし、人によってスタイルが異なります。重要なのは、自分のスタイルを理解することです。

人それぞれということですが、私個人の考えを紹介させて戴きますと、リーダーには以下4つの要素が必要だと思います。

Be happy, be aggressive, be nimble & focused, and always have a story to tell

このブログでも散々『Tuckの最大の魅力は刺激的な同級生』と述べていますが、この4点も様々な同級生のリーダーシップスタイルを観察しながら、その重要性を自分として感じるようになったものです。

1Be happy
明るく振る舞う。凄く単純な話ですが、明るい人と暗い人が居たら、どちらの人と一緒に居たいですか?明るい人は人を惹きつけます。リーダーシップ云々以前に、自分の周りに誰も居なければ、リーダーシップの発揮のしようがありません。我々はいつも明るく振る舞うことは出来ないかもしれません。それでもリーダーが前向きな姿勢を見せないと何も始まりません。『引っ張る』ということに繋がってきます(『凄く性格は暗いんだけと皆を引っ張っていくリーダー』って少し想像し難いですよね)。Be happy。シンプルですが、少なくとも私は基本だと思っています。

2Be aggressive
リーダーたるもの、異常なくらいに積極的であるべき。その裏には何があるかと言うと、『積極的=何がしたいか分かっている』という発想です(何をするべきか分かっていないようなリーダーに誰も付いていきたいと思わないですよね)。大きなことから小さなことまで、自分(達)が何を目指しているのか?その為に自分(達)が『今』するべきことは何なのか?しっかりと意思を持つことで、異常なくらい積極的になれるのです。前にも触れたmaking decisions under uncertaintyとも繋がります。

3Be nimble & focused
気を抜がない。学校で90分間の授業を受けている時、集中力が途切れる瞬間はありますか?会社で一時間を超える会議に出ているとき、常に100%集中していると言い切れますか?私はそこまでの集中力はないのですが、私が尊敬するリーダーたちは気を抜きません。私が尊敬するクラスメートたちは授業中の集中力が尋常じゃないです。本気だからこそ集中する訳で、集中していないのは手を抜いている証拠なのかもしれません。まずは、『集中力を切らしてはいけない』と強く意識するところからです。

私にbe aggressiveを教えてくれた同級生(男性)と、be nimble & focusedを教えてくれた同級生(女性)に関しては、Tuck同級生紹介もご参照下さい。詳しく書いてあります。

4Always have a story to tell
いつでも伝えるべき話を持っている、そしてそれを延々と語る。この4点目だけ、日本とアメリカで少し状況が異なります。日本だと、無闇に話が長いのは好ましくないとされています。アメリカだと、話が長い人に対して寛容だと思います。どんな話題に対しても延々と話し続けることが出来る人は、『特にコメントありません』しか言えない人と比べたらよっぽどスキルがあると私は思います。何事に対しても自分の意見を持っている、そしてその意見を表現することを恐れない、というのがここでの大事なポイントです。これはreactionでもあります。置かれた状況に対して反応が出来るかどうか。皆で話し合っている話題に対して、静かに聞いているのではなく、積極的に口を挟む。質問に対しては、『私はこう思う』ということをいつまでも話し続ける。繰り返しになりますが、『分かりません』、『どっちでも良い』、『ノーコメント』が最悪です。意見を持つ、そしてそれを伝える。この4点目は、最初に述べた3点全てを満たしてこそ実現出来ることのようにも思います。

以上は、飽く迄も私が目指すところのリーダーシップスタイルです。皆さんはどうですか?既に自分のスタイルを確立している人も居ると思います。それをMBA生活の中で再検証するのも良いかもしれませんね。受験生の皆さん、MBAの刺激的な環境の中で『リーダーとしての自分』についてとことん考えるのを楽しみにしていて下さい!
 
よしかん(T’15

2014年7月25日金曜日

MBA一年目のtakeaway

どこのビジネススクールに行ったとしても、学校側が伝えるメッセージは以下のようなことなのではないでしょうか。

 Asking the right questions(問題の本質を理解せよ)
 Getting out of your comfort zone(迷ったら厳しい方の道を選べ)
 Making decisions under uncertainty(不確実性下でも意思決定を行わなければならない)
 Making a difference(社会にインパクトを与えよ)

これら4点は何れもMBA経験者の『留学体験記』的なものに必ず出てくる言葉なので、よく目にするフレーズですね。但し、教授がこのことを教室の中で言葉で言っただけで我々がこれらの考えに即座に共感出来るとは限りません。MBAの授業内外で毎日同級生と繰り広げられる議論、その中で相手を自分の言葉で納得させたり、或いは逆に自分が論破されてしまったり。それによって自分の考えが変わったり、或いはやはり自分の考えが正しかったのだと自信を持つことが出来たり。自分とは全く異なる人生をこれまで歩んできている同級生による言葉、その言葉の奥にある考え方、その考え方のもっと奥にある生き方。そういったものに触れながら自分が刺激を受け、又同級生に対しては自分が刺激を与えられる存在となるよう努める。このような『体験』を通じて、4点を自分の中に落とし込んでいくというところに、単なる知識の詰め込みとは異なるMBAというものの深みがあります。

さて以上は一般論ですが、ここから私個人のTuckでのtakeawayに触れさせて戴きます。

1.同級生から受ける刺激(同級生=自分の実力を見つめ直す為の物差し)
同級生の魅力は、Why Tuck?でも触れた通りです。私がMBAを目指した理由のひとつは、自分にとっての物差しが欲しかったからです。私は限られた業界でしか働いたことがなかったので、業界の外に出た時の自分の競争力がよく分かりませんでした。周りに同じ業界の人間しかいないと、井の中の蛙になり兼ねません。MBAでは世界中から優秀と言われている人たちが集まってくるので、その中で自分は活躍することが出来るのか?或いは全く歯が立たないのか?そこら辺の感度を自分で理解したいと思っていました。今では、同級生たちは自分が意思決定を行う際に強く意識してしまう存在たちです。そのような人たちに囲まれている今の私の状況は、非常に恵まれた環境だと思います。私はこれ以上ないくらい素敵な物差し(比較対象)を見つけることが出来ました。

2.チーム内で自分が機能する方法
これもWhy Tuck?で触れた通りです。チームワークというのは、実は非常に厳しい世界です。何故なら、自分が貢献出来なければ他のチームメンバーから不必要な存在と見なされてしまうからです。自分はどのようにチームに貢献出来るのか?自分はどのように貢献したいのか?時には周りを見ながら、時には周りとは関係なく自分の強みを積極的に売り込みながら、チーム内での足場を固める必要があります。Tuckでは本当に様々な人たちと、様々なプロジェクトでチームを組む機会に恵まれます。それらを通じて、私はどのようなチームの中でも自分なりの貢献方法を見出せるスキルを習得することが出来ました。

3.明確に伝えること
これは当たり前のことなのですが、アメリカだとまた感度が日本とは異なります。『考え方』の問題に加え、日本語という言語を使っているとつい癖になってしまう『伝え方』の問題もあります。(分かり易いように敢えて極端な例を使いますが)日本語では『今日は傘を持って出掛けます』で済む文章も、MBAの授業では突っ込みどころ満載です。『何故傘を持っていくのですか?』『雨が降ったらどうするのですか?』などと突っ込まれる可能性があります。従って、『私は午後に雨が降ると思うので、今日は傘を持って出掛けます。そして実際に雨が降ったら、持っていった傘を差します』ぐらい明確に伝えてあげる必要があります。あとは自分でポジションをしっかり取ることです。『今日の午後は晴れますか?それとも雨が降りますか?』と聞かれたら、『どちらの可能性もありますね』という回答ではダメなのです。『私は雨が降ると思います。何故ならば×××。晴れると考えることは間違っています。何故ならば△△△』と立場を明確にする必要があります。そもそも回答が一目瞭然であるような問いはMBAの授業には登場しなくて、どちらを選んだとして一長一短あるような問いばかりです。だからこそmaking decisions under uncertaintyとなってくる訳です。これ以上は無理、というところまで自分の『考え方』も『伝え方』もハッキリさせることを、今まで以上に意識するようになりました。

以上が私の個人的なtakeawayです。

 よしかん(T’15

2014年7月14日月曜日

現役Tuck生によるMBA相談会(face-to-face)

MBA受験を検討中の方々を対象に、現役日本人Tuck(一年目を終えて、今年の秋から二年生)との話し合いの場を以下の通り設けます。

826日(火)
14:00-15:00 →埋まりました
15:00-16:00 →埋まりました
16:00-17:00 →埋まりました
17:00-18:00 →埋まりました

827日(水)
14:00-15:00 →埋まりました
15:00-16:00 →埋まりました
16:00-17:00 →埋まりました
17:00-18:00 →埋まりました

場所:東京・丸の内近辺の喫茶店(調整中)

  • 受験生の方とTuck生で11で一時間話すことを予定しています。
  • 上記の通り時間枠を8つ設けましたので、希望される方は希望の時間帯及び簡単な自己紹介を御連絡して戴きたくお願い致します。
  • お申し込み、ご質問等は全てtuckjapanHP@gmail.comまでお願い致します。時間調整は先着順とさせて戴きます。
  • Tuckのこと、受験全般に関すること、アメリカでの就活のこと等、当日はどのような内容でもカバー可能です。

現役Tuck生の日本滞在期間の関係で、平日の日中という時間帯での開催となり大変申し訳ありません。皆様にはお手数をお掛けしますが、もしもお仕事を一時間だけ抜け出すなどの形でご参加して戴けますと幸いです。是非この機会のご活用をご検討下さい。

家族にとって

私はキャンパスビジットで会う受験生にいつも次のことを伝えています。

私にとってTuckは一番の学校だけど、あなたにとってTuckが一番の学校かどうかは分からない。何故ならば人によって求めているものが違うから。

これはある意味当たり前の話ですが、詳しくはWhy Tuck?をご参照下さい。そしてもう一つ伝えていることがあります。

あなたにとってTuckが一番の学校かどうかは分からないけど、もしもあなたが家族と一緒に留学するなら、あなたの家族にとってはTuckが一番の環境でしょう。

単身で留学している私が家族連れについてコメントするのもどうかと思いますが(笑)、単身の私だからこそ客観的にコメントが出来るのかもしれません。という訳で、今回は家族と共に留学している人たちにフォーカスを当てたいと思います。

1The Tuck community
TuckTuckiesTuckに通う学生)の家族に対してとてもフレンドリーです。Tuckiesのパートナー(奥さん、旦那さん、ガールフレンド、ボーイフレンド)たちにはTuck Partnersという正式な呼び名があります。またTuckiesの子供たちにはTiny Tuckiesという正式な呼び名があります。そしてTuck PartnersTiny Tuckiesは、基本的にTuckで行われる全てのイベントに招待されています。『必修授業』以外で家族が参加出来ないものはありません。BBQや飲み会はもちろんのこと、クラブ活動もそうです。TuckではTripod(未経験者たちによって構成される初心者用アイスホッケーリーグ)が盛んですが、奥さんたちの間でもTripodクラブは大人気で多くが参加しています。またお遊びだけではなく、学校で行われる講演もopenです。更には、教授に頼んでokをもらえれば、Tuckの『選択授業』の聴講も可能です(あまり断わられることはありませんが、教室のキャパの関係で断わられることはあります)。

TuckStuffTuck Store)のTiny Tuckies関連ページ

2Sachem
Tuckiesの単身者の大部分は学校の寮に住んでいますが、家族連れはだいたいSachem VillageTuckから車で5分)に住んでいます。皆が同じところに住んでいるので、奥さん同士はすぐに仲良くなりますし、孤独な状況になることはありません。また子連れで留学に来ている人も多くいるので、忙しい時は相手の子供のベビーシッターをしてあげたりと、お互いを助け合う体制がしっかり整っています。


『もともとバリバリ働いていた奥さんが旦那の留学の為に仕事を辞めてアメリカまで付いてきて、でもアメリカでは日中ヒマなので奥さんは凄く不満』という話を一般的に聞くことがありますが、TuckではTuck Partnersがヒマになるということはまずないでしょうね(もちろん自分の意思で家に引きこもることを決めた場合は別ですが)。先に述べた通り、学校のイベントは盛り沢山ですし、奥さん同士で習い事を始めたり、買い物行ったり、子供同士を遊ばせたりと、皆忙しくしています。『皆が同じところに住んでいる』というのが相当大きいです。物理的に近くにいることで、一緒になって何かをする際に、様々なハードルが一気に下がります。

3その他
もう少しビジネス・オリエンテッドに過ごしたいTuck Partnersたちも居ます。例えば私のクラスメートGibbのフィアンセのTylerは、他のTuckiesたちとフードトラックビジネスを立ち上げて毎日忙しそうにしています。

また、女性のクラスメートで、旦那さん又はボーイフレンドがTuck Partnersとして同伴しているパターンも何気に多いです。そこら辺も含め、今回の投稿で触れたことに関しては、このページで詳しく見ることが出来ます。


よしかん(T’15

Follies

Tuckでは毎年5月にFolliesというイベントがあります。これは学芸会的なイベントで、希望者が様々な出し物をします。せっかくなので私も出ようと思い、『日本人としてどうやって存在感を出していけるかな?』と考えました。その時に思い付いたのが、私の大好きな『お笑い』でした。このような出し物をする場では、アメリカ人のほとんどは歌やダンスを披露します。そこで、『コントのようなもう少し凝ったものをやってみよう!』と思いました。

アルコ&ピースさんの『逆面接』というネタをやらせてもらったのですが、アメリカ人向けに日本のネタをアレンジするのは結構頭を使います。日本だと見る側に想像させて楽しんでもらったりする部分があったりしますが、アメリカだと何故これが面白いのかということを全て言葉でハッキリと説明してあげないと伝わりません。オチを最初に言うようなイメージです。日本人の我々の感覚からすると、オチは最後に来るからこそ面白いです。アメリカだと、最初に『こういう面白いことをやるよ!』と伝えてあげて、そしてその通りにやることでウケます。これもまた、以心伝心の文化である日本と、何でも明確にする文化であるアメリカの違いをよく表している例ですね。

 内容はMBAに於ける就活に変えています。他の学校の名前も登場しますが、アメリカンジョークとして受け止めてもらえれば幸いです笑)


(左が私、右が韓国人のクラスメートです。傲慢キャラを演じるTシャツも好評でした)
よしかん(T’15

2014年7月4日金曜日

GMATについて

今回はTuckに限らず、受験全般に関する話になります。

日本ではGMAT受験の為の塾などが充実しているようですね。私も日本に居たら塾に通っていたかもしれませんが、GMATの勉強をしている頃は中国に住んでいた為、結果的に独学でGMATに臨むことになりました。ここでは、完全に独学でGMATに臨んだ私の経験から感じたことを3点述べさせて戴きます。もちろん勉強方法に正解などありませんし、人によって合う合わないがあると思います。従って、決して結果を保証するものではありませんが、GMATの勉強を考える上での参考になれば幸いです。

10-15分しか勉強しない日があったとしても構わないので、必ず毎日勉強する
GMATは試験時間が長いのですが、それ以上に問題数が多いです。もはや、『実は集中力を試されているのではないか?』と思えるくらいです。我々は徐々に集中力を高めていくことは出来たとしても、試験が始まったその瞬間にいきなり集中力を100%に持っていって、且つそれを何時間も維持することは中々出来ません。但しそれを行わないとGMATでは問題を全て解き終わることが出来ません。なので、これはトレーニング(繰り返し問題を解いて、集中力を高めた状態に慣れる)が最適と考えます。筋トレと同じで、週18時間を行うより、毎日1時間行う方がはるかに効果があります。そして筋トレと同じで、1日サボれば2-3日分の蓄積が失われ、1週間もサボれば1ヶ月分の遅れを取るでしょう。だからこそ、勉強を始めたら、GMAT受験が完了するまで、絶対に絶対に1日たりとも勉強をしない日を作らないでほしいです。残業、出張、接待、合コン、デート、草野球、掃除、洗濯、クリーニング、靴磨き、買い物、子育て、引っ越し、免許更新、皆さん忙しいのは分かります。私も中国に居た頃、毎晩必ず中国人との接待が入っていました。だからこそ平日はたとえ10-15分しか勉強しない日があったとしても構わないので、必ず毎日勉強してほしいと思います(これは決して『毎日10分勉強すればok』ということではなく、『平日は一日の勉強時間が短くなってしまったとしても止むを得ない』と述べているものです。時間が取れる日には当然、何時間も勉強する必要があります)。夜家に帰ってきて、『やる!』と自分に言い聞かせながらも何だかんだでダラけて勉強しないことが最初から目に見えているなら(我々は自分に甘いですからね笑)、朝会社に行く前に勉強するというのも手かもしれませんね。そしてGMATの本番当日も、家を出る前に30分くらい問題を解くことをおすすめします。スポーツに於ける試合前のウォーミングアップと同じ位置付けです。事前に少し脳みそを使ってあげれば、寝ぼけた状態で本番に突入せずに済むと思います。

問題を解く際は必ず時間を計る
GMATは問題数が多いので、どのくらいのペースで問題を解いていけば良いのかということを、感覚的に身に付ける必要があります。試験時間を問題数で割れば、一問当たりにどれくらいの時間を掛けることが出来るのかだいたい検討がつきます。GMATは長時間耐久レースのようなものなので、ペース配分が全てです。私は本番で必要となるペース感覚を、とにかく最初から身に付けるように心掛けました。従って、何となくGMATの練習問題を問いたことは一度もありません。生まれて初めてGMATの勉強を始めたその日から、『今から×問の問題を解くので、分間の時間を掛ける』、又は『今日は15分しか時間がないので、問だけ問題を解く』と時間と問題数を決めて、時計を横に置いて、それを守るようにしました。毎日全く同じペースでランニングマシーンの上を走っていれば、その感覚を持ったままマラソンレースに出られるのと同じです。まずはGMATの問題に慣れてそれからスピードアップを目指すという考えもあるのかもしれませんが、正直言って『ペース感覚を身に付けること』を敢えて先送りにする理由が見当たりません。GMATの勉強を始めたばかりの頃は、そもそも問題自体の主旨がよく分かっていなかったりしますが、その段階からペースを意識した勉強方法を実行して良いと私は思います。

GMATを受験する日を今日決める
GMATの勉強はかなり大変ですし、一年間の受験回数は限られているし、結果の履歴は残りますし、『準備が整った時点で受験しよう』と思う気持ちは分かります。但し『よし!準備万端だ!』と思えることは、多くの人にとってはまずないのではないでしょうか(少なくとも私にとってはそのような瞬間は最後まで訪れませんでした・・・)。もちろん準備万端な状態になることを目指すのですが、完璧に準備が整うのを待っていたら、いつまで経っても受験しないことになってしまうかもしれません。どこかのタイミングで前に進んでいく必要があるので、先に受験日を決めてしまいその目標日に向かってとにかく勉強を重ねる、というのが良いと私は思います。GMATはしっかりと集中して取り組むことが重要なのであって、時間を掛ければ掛けるほど点数が伸びるというものでもありません。6ヶ月勉強するより12ヶ月勉強した方が良いとも限りませんし、集中すれば3ヶ月でも充分なのかもしれません。何れにしても、最初の一歩を踏み出すことが肝心なので、今まさにこの瞬間に、受験日を決めて申し込んでしまいましょう。

最後に。GMATの受験勉強はしんどいです。何故ならば、努力が成果として見えづらいからです。やればやるほど目に見えて点数が伸びるとも限りませんし、人によっては受験を重ねる度に点数が下がるなんてこともあるかもしれません。『だったら勉強しなくても良いのか?』と言うともちろんそんなことはなくて、それでも勉強しなければならないからこそしんどいのです。あとは、GMATの勉強をサボったとしても誰にも迷惑が掛からないからしんどいです。つまり『勉強しろ!』とプレッシャーを掛けてくれる人が、世界中に自分しか居ないのです。私もGMATの勉強を始めた頃は、椅子に座っただけで逃げ出したい気分でした。そんな時は損得勘定的に考えるようにしました。『今ここで6ヶ月間死に物狂いで勉強することで、MBAに行って、そしてその後の自分の人生を大きくプラスの方向に変えることが出来る。たったの6ヶ月間の努力で自分の残り人生を変えられるとしたら、費用対効果というか、努力対効果的にあまりにもお得な話ではないか?逆に言うと、今ここで頑張らないことはあまりにも損なことではないか?』

そんな訳で、長くなりましたが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。Life is good。未来は明るいです。皆さん頑張って下さい!質問等御座いましたら、いつでも気軽にtuckjapanHP@gmail.comにご連絡下さい。

よしかん(T’15