2019年11月29日金曜日

MBAランキングについて

TuckはThanksgivingの5連休中で、現在30人ほどのクラスメートとともに3泊4日のFriendsgiving TripでVermont州の山奥に来ています。学校側からは、「留守にする際は、きちんと家や車のカギをかけること」という当たり前のようなメールが届きました。改めて平和です。


さて、朝早く目覚めたので、先日発表されたBloomberg BusinessweekのMBAランキングについてちょっと書いてみます。めでたく、Tuckは2位となりました。

https://www.bloomberg.com/business-schools/


注目していただきたいのは、Bloombergの4つの評価項目のうち、Networking がトップを意味する100点だったことです。

Networking: This is one of the biggest benefits students expect from attending business school. So we focus on the quality of networks being built by classmates; students’ interactions with alumni; successes of the career-services office; quality and breadth of alumni-to-alumni interactions; and the school’s halo, or brand power, from recruiters’ viewpoints.

意訳:在校生と卒業生の関係、キャリアサービスオフィスの質、卒業生同士のネットワークの質と量


ぶっちゃけた話、どこの大学に行ってもAlumni networkがすごいとか、Collaborativeだという話を具体例とともに聞くと思いますし、誰も嘘をついているわけでもないと思います。単純に、どの学校でも絶対的(主観的)な尺度で見ればすごいAlumni Networkがあって、Collaborativeな一方で、それは受験時に知りたい相対的(客観的)とはギャップがあるということです。


そういう意味で、各種MBAランキングはある程度相対的(客観的)な価値を示してくれるツールと言えるのではないでしょうか。総合順位自体に大した意味はないと思いますが、その評価尺度まで掘り下げて見てみると、受験時に知りたい相対的(客観的)な価値が見えてくると思います。表面の総合ランキングだけではなく、それぞれの中身にも是非注目してみてください。

<日中は思い思いの時間を。ひたすら寝る、ゲームルームでポーカー、近所を散歩、カバーレター作成などなど。写真は、テレビを見ながら飲み食いするプライスレスな時間の一幕。この後、一気に調理をして、夜は長いパーティーでした>

2019年11月15日金曜日

教授同士の連携について

Capital Marketsの中間テストが終わりました。来週はプレゼンやらマーケティングシミュレーションやらで忙しそうですが、テストの終わった日くらいは、ぼーっと生きたいと思います。

さて、TuckのFall AとFall Bはコア科目のみで構成されていますが、これらコア科目間での教授間の連携の濃さは、Tuckの特色ではないかと思います。


事例1:ある授業で使われたCaseを、他の授業で再利用することが頻繁にあります。たとえば最近のAnalyticsの授業ではMarketingのCaseが再利用されていました。また、Management Communication(プレゼンスキルを学ぶ授業)の最終プレゼンは、過去に取り扱った他の授業のCaseをテーマとしたものでした。

事例2:Managing Peopleで「意思決定の影響を受ける人は、その意思決定プロセスのテーブルにいるべきだ」という概念について学んだ時、教授が「コア科目の中で、思い出すことはないか?」と学生に問いかけ、そして次の瞬間に表示されたのがManagerial Economicsの外部不経済(※)の授業スライドでした。

事例3:Kopalle教授のAnalyticsで、需要と価格の関係を扱う際には、「価格の変化に対してどれだけ需要が変化するか」という視点で分析するため、価格がX軸、需要量がY軸となっていました。それに先立つManagerial Economicsでは逆で、X軸が量でY軸が価格です(ミクロ経済学を勉強したことのある方はわかると思います)。学生の間でちょっと「あれ?」っとなったところを見計らって、Kopalle教授がおもむろに動画を再生。その動画は、EconomicsのJoe Hall教授とKopalle教授が、価格と量どっちがX軸でY軸かを議論するというコントでした。


上記はほんの一例にすぎません。また、お互い他の教授の授業スライドとかもめちゃめちゃ見ているようで、「前回●●の授業で見たでしょ?」とか「これは××教授が今朝説明したと思うので割愛して・・・」とかそういうセリフが頻繁に出ます。このコラボレーションには様々なメリットがあって、


(1)単純に面白い。事例3は単なるギャグですが爆笑でした(Senior Associate DeanとAssociate Deanのいわば一発芸ですからね(笑))。残念ながら動画はTuck内で厳重に管理されているとのことなので、是非Tuckに進学して見てください(笑)。

(2)記憶の定着に役立つ。

(3)事例1のCaseの再利用については、Caseを読む時間を節約しながら、ある概念を現実の世界にどう適用するのかを学ぶことができて効率が良い。

(4)ある分野の知識と、別の分野の知識の、接合点を理解することができる。つまり科目ごとに学ぶ断片的な知識を、General Managerとしての体系的な知識に昇華させる補助になる。


上記は私が気付いたメリットですが、他にも認識していないメリットがたくさんあるような気がします。本当によく練られたプログラムだと思います。

※例:工場の排水により川下の漁業者が被害を受けるとする。工場に浄水装置を付けるかどうかの意思決定に漁業者がかかわらなければ、工場は自らの利益最大化のためには浄水装置を付けないという意思決定をし、社会全体としての資源の最適配分が実現されない。

2019年11月1日金曜日

Tuckの細かすぎて伝わらない良いところ

Analytics IIの試験で疲れたてたので、今回は、Tuckのライトに「イイネ」と思う点について、気楽にいくつかあげたいと思います。

トイレが多い
私にとって大変ありがたいことに、Tuckには本当に沢山のトイレがあります。犬も歩けばトイレに当たります。また、アメリカのトイレというと「壁やドアの下がガッツリ空いた隣の人の靴が見えるアレ」を想像しますが、完全個室タイプのトイレもいくつかあり快適に過ごせます。蛇足ですが、コピー機もやたらたくさんあるので無駄に混雑しません。

コーヒーが無料
平日毎日飲み放題です。種類も普通のコーヒーで3種類、フレーバーが3種類、それからデカフェがあります。毎日飲むものなのでバカにならないですよね。ケチな私は午前の授業が終わって帰る時も、自宅用で飲む用に水筒を満杯にして帰ってます(笑)。もちろん飲料水と氷も無料です。

ご飯が健康的
Tuckに来る前は、毎日ピザとハンバーガーを食べる生活を想像していました(笑)が、Tuckの食堂には種類豊富なサラダバー(穀物、肉、豆腐なども少々)があり、私はたいていサラダバーを利用しています。いつも4ドル~7ドルくらいのレンジです。他には当然ハンバーガーもありますし、日替わり定食みたいのもあります。あと、毎日何らかのランチセッションが開催されておりますので、そちらに参加すればランチ代は浮きます。あからさまなランチ目当ては褒められたものではありませんが。

スタディルームに困らない
学年280人に対して、十分すぎるほどのスタディルームがあります。一応予約システムもありますが、予約しないと部屋がないわけではなく、予約することで場所を決めるという意味合いの方が大きい気がします(予約しておかないと、直前になってGroupMeで「みんなどこの部屋に向かってる?」みたいなやり取りが始まってしまいます)。

そんなわけで、Tuckの日常には小さな幸せもたくさんあります。キャンパスビジットの際には、ちょっとだけそういう視点で比較しておくのもよいかもしれません。