2019年10月24日木曜日

授業以外の過ごし方

ゲストスピーカーに関する以下の記事( http://tuckjapan.blogspot.com/2015/06/blog-post.html )で詳しく書かれているように、田舎の大学とはいえTuckでは探すといくらでもやることがあります。私は、リクルーティング活動は一切していませんが、それでも、たとえば今週は以下のようなイベントに任意出席しました。

●月曜日
Tech 101 Learning Series: 計4回のシリーズで「ITについて学ぼう」というThe Center for Digital Strategiesによる企画です。初回はそもそもOSって何?サーバーって何?というコンセプトを学ぶものでした。次回のテーマはクラウドコンピューティング。

Entrepreneur Live Pitch Event: “Entrepreneurial Thinking”という選択科目が、履修していない学生にも開放されたものです。Venture CapitalistのJeff Crowe氏と起業家のEdwin Lau氏が、起業家がどのように自社のビジネスを投資家にピッチすべきか、パフォーマンスしてくれたものです。

●火曜日
Top Speaker Series: The Carlyle GroupのCo-founderのDavid Rubenstein氏とTuckのDeanのMattによる対談です。Rubenstein氏の生い立ちから始まり、最後は稼いだお金をどうするかという、本当にwide-rangeな話を聞くことができました。

●水曜日
Fall Tuck Talks: 今回は4人の学生と1人のTuckスタッフが約15分ずつ、超個人的な話(病気や戦争体験など)を赤裸々、でも前向きに語っていました。詳細は過去記事に譲ります( https://tuckjapan.blogspot.com/2015/02/burn-ships.html )。

●木曜日
Fall Term Talk with Dean Slaughter: 学期毎に1度、TuckのDeanであるMattが、学生向けに現在Tuckで起こっていることを話したうえで、学生からの質疑を受け付けるというイベントです。今回はTuckで進行中の工事に関する話題や、MBAランキング等が話題となりました。話が逸れますが、TuckではDeanが驚くほど普通にウロウロしています(今もブログ執筆中の私の横を通っていきました)。

Trek to Colombia information session: タイトルの通りです。完全な遊びですが、コロンビアは超楽しそうでした。

A conversation with U.S. Senator Judd Gregg and Governor John Lynch: 元NH州知事でTuckの教授であるLynch氏の授業に、元NH州知事かつ上院議員であるGregg氏( https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャド・アラン・グレッグ )を招聘し、公開されたものです。Gregg氏による米国の財政赤字、医療費の膨張、民主主義の欠点等に関するプレゼンの後、Q&Aの時間がたっぷりありました。

上記は、Fall Bの負荷を考慮しても特に私が行きたくて出席したイベントだけですので、実際に提供されているイベントは、この何倍もあります。また、どんなに大きいイベントでも出席者は100名~200名程度ですので、Q&Aでの質問とかは結構しやすいです。これはスモールスクールならではのメリットと言えるのではないでしょうか。

今週末は、ダートマス大学のアメフト部の試合と、Dartmouth Diwaliというヒンドゥー教のイベント(キャンドルナイトやディナー)に行く予定です。都会のように何でも手に入るわけではありませんが、今しかできないことが無数に待っています。

2019年10月16日水曜日

Fall Aのコア科目~Managing People

Fall Aを終え休暇中のIchiroです。Fall Bの宿題も既に色々提示されていると思うのですが、宿題に追われる日々からマインドを切り替え視野を広げるためにも、土曜日までは完全無視で行きます。

Fall Aでは、Managerial Economics, Analytics, Financial Accounting, Management Communication, Managing Peopleという5科目を履修します。どの授業も面白く授業中に眠気を感じたことは一度もなかったのですが、個人的に一番好きだったのはManaging Peopleという授業です。

その名のとおり、どういう風にチームや組織をマネジメントするかを学びます。たとえば「モチベーション」をテーマとした回には、Individual pay-for-performanceの運用にかかる問題、つまり何を指標にパフォーマンスを測定するのか、チームでの仕事の場合個人の貢献をどう捉えるのか、あるいは、金銭以外のIntrinsicなモチベーションは何に起因するのかといったことを議論します。

また、「チームワーク」をテーマとした回では、様々なチームワークの罠を体験させてもらえます。役割分担をしっかり決めた結果、それぞれの境界部分が無責任になっちゃうとか、チームの意思決定が、専門性の高い人じゃなくて、なんとなくリーダーっぽいキャラの人に支配されちゃうとか。

こういったことを授業で経験して議論して終わりではありません。中間レポートと最終レポートの問題が実によくできていて、私にとっては授業中の学びを昇華させる良い機会になりました(ついでに興味深い参考文献も毎回たくさんもらえます)。

その他にも「フィードバック」「女性とマイノリティ」「ナッジ理論」などなど、本当に幅広いテーマを扱う授業なので、ここで学ぶのは基礎の基礎です。が、自分が仕事をしていた時、従業員の立場として「そりゃねーよな」と思うマネジメントの言動、逆に自分がマネジメント側として色々思い悩んでいたこと、自信をもって解決できなかったことを、広くTheoryとして捉えなおし学ぶことができ、Organizational Behaviorの基礎を身につけられたように感じます。

この後はLeadership Coaching、Managing Organizationsでより深くこのテーマを学べるようなので、期待が高まります。