2020年4月1日水曜日

コロナウイルスの影響下でのTuck生活


Why Tuckについてもう1つ書こうと思っていましたが、現状報告の方が優先度が高いので、少々書きたいと思います。


コロナウイルスの影響概要

現時点で全米のコロナウイルス(COVID-19)感染者数は約20万人。Tuckの所在するNew Hampshire州は367(人口136万人)、すぐ隣のVermont州は293(63万人)です。


全米的な集会禁止等のルールに加え、NH州は3/285/4の期間でStay-at-home Order、いわゆる外出禁止令が発動されています。不要不急の外出を禁止するものであり、日用品の買い物、ランニング、ペットの散歩等はソーシャルディスタンスを確保している限り、問題ありません。ジムからのシフトなのか、ランニングしている人はむしろ増えている印象です。

レストランは軒並みクローズかテイクアウト専用となっています。スーパーは人が若干少なめで、レジ前にはレジ待ちの客の距離を確保する目安のテープが貼られています。食品は缶詰などの保存食も含めほぼ問題なく入手できます。トイレットペーパー等は品薄ですが、少し探せば見つかる程度にはあります。スーパーへのマイバッグの持ち込みが禁止されましたが、マスクをしている人は10%以下です。

あとドミノピザの車は本当によく見かけるようになりました。Amazonはじめ宅配等にも特段支障はありません。

Sachem Filedsまでのサイクリング(約1分)


Tuckの対応について

対応は早かったですね。2/28時点で3月中旬のすべてのTuckGOを中止するという通知があり、3/2に説明会が行われました。この時点では、コロナウイルスはほぼアジアに限定されており、米国にとって対岸の火事であったのみならず、欧州の流行すら起こっていません。私が行く予定だった南アフリカについては感染者数ゼロでした。学生からは不満も聞こえましたが、後手後手でない、適切なリスクマネジメントだなと感じました(結果論ではなく)。

3/11には、春学期(3/23~)の最初の2週間のオンライン化が通知され、3/17には春学期全体のオンライン化が決定しました。また、全ての学生イベント、クラブ活動による集会等も禁止されました。これに伴い、半数前後の学生が、母国や故郷から授業を受けることを選択しています。


Tuckでの経験について

授業は全てZoomというビデオ会議システムで行われており、Tuckではリアルタイム受講が原則です(録画視聴不可。他校は可のところもあります)。通常の授業を100%とすると、90%100%の範囲のクオリティが保たれています。以下詳細。

  • 音声や画質に問題なく、ビデオだから授業が聞き取りにくいということは一切ない。またほぼ予定どおりカリキュラムが進捗している。
  • 学生はシステム上のボタンで挙手し、教授に当ててもらう。コールドコールも健在。発言中に人に見られない分、プレッシャーは少ない。挙手するレベルじゃない質問や回答は、チャットボックスでこなされ、その点普段の授業より効率がいい。
  • 「周りの学生と5分話してみて」という時は、Breakout Roomという機能が使われる(学生が数名ずつのグループにランダムにアサインされる)。メリットとして、①毎回メンバーが違う、②システムに制御されているため制限時間内に必ず終わる、ということがある。
  • クラスメートの名前がずっと表示されるのが本当にありがたい。本当に。本当にありがたい。
  • 授業中にご飯を食べることに抵抗があった純ドメ日本人でも、気にせずご飯が食べられて、少しアメリカ人になった気持ちになれる。


First Year Project(コンサルプロジェクト)も、顧客対応はおろか、チームミーティングも全てオンラインです。これは正直やりにくいです。「顔を合わせて話せば楽なのにな」と思う部分がある一方で、今後テレワークや、オンラインでの内部・顧客とのコミュニケーションが間違いなく進展する中で、良い練習になっているようにも感じます。

お互い何をしているか目に見えないからこそ、情報共有や、思い込みで動かずコミュニケーションをとることの大切さに気付きます。また、顔を合わせてやっていたことを、そのままオンラインでやろうとすると、ただただ非効率になるので、従来の発想にとらわれない工夫を考えよう、という意識を常に持つようになります。

最後に、クラブなどの集会は全て禁止されましたが、Zoom上では色々なイベントが企画されています。たとえば毎週木曜日夕方の飲み会、Tuck Tailも健在で、今週はJewish Clubホストします。

我々T21の場合は、対面で過ごした秋学期、冬学期があるからこそ、オンライン化を乗り越えられている面は否めません。したがって、今夏もしくは来夏の進学を考えている方の経験は、また違ったものになるのかもしれません。とはいえ、コロナウイルス下でのTuckやMBA生活がどのようなものなのか、少しでも参考になった部分があれば幸いです。