2020年12月14日月曜日

Fall Bの授業①

こんにちは。T22のYutaです。

現在、Fall Bタームの期末テスト期間です。残すところあと一科目、夏のインターンに向けたリクルーティングにも追われ、忙しかったFall Bもようやく終わりを迎えようとしています。

今回のブログでは、Fall Bの授業内容について紹介します。Fall Bの科目は、ストラテジー・マーケティング・キャピタルマーケット・統計学IIの四つになります。スタディーグループについては、Fall Aと同じメンバーです。

今タームは、私のスタディーグループは、科目キャプテン制度を導入し、それぞれが担当する科目について、リーダーシップを取って進めていくことにしました。改めて見ると、まさにこのタームのためにあるようなバックグラウンドのグループ構成となっており、それぞれの得意分野で皆上手く力を発揮できたと思います。MBAに来るぐらいなので、リーダータイプが多く、Fall Aは船頭多くしてなんとやら状態でしたが、今期はこの運営にて効率もグンと上がりました。

ちなみに、うちのチームはクラスでも「あぁ、あのスマートな奴揃いのグループか。」と言われたりするぐらい、皆優秀なので、各人の担当分野をきっちり任せきれるので楽でした。

<各科目のキャプテンとバックグラウンド>
ストラテジー:コンサルタント出身者
マーケティング:シアターのアドバタイジング部門出身者・米銀の経営企画部出身者
キャピタルマーケット:インベストファーム出身者と私(銀行員)
統計学II:データアナリスト、データインテグレーション担当者


さて、前置きが長くなりましたが、以下授業の詳細です。

1.ストラテジー (教授:Prof. Ramon Lecuona)
基本的には、ポーターのファイブフォース(Tuckではそこに独自に1つComplementorを加えたシックスフォース)を中心とし、それぞれの価値を生み出す源泉として、規模の経済性、ラーニングカーブ、シナジー、取引費用理論、破壊的イノベーション等の基礎的な事項を学びました。コア科目だけあって、古典的なケースが多く、トヨタによるプリウスの開発、任天堂・セガ・ソニーによるゲーム機戦争、デジタル技術の導入におけるコダックの失敗と富士フイルムの隆盛等、日本企業の名前が沢山出てきます。

ケースの舞台となる時代は、日本の国内市場で地盤を固めた日本企業が、満を持して米国市場を攻めてきたというものが多く、そうした日本企業に米国企業がどのように対応したか、日本企業がいかにうまくやっているかを見ていくこととなりました。Ducatiの元CEOがゲストスピーカーとして登壇した際に、「技術の向上や製造プロセスの改善といった既存の延長線上では絶対に日本のメーカーには勝てない。ただし、デザインの先進性等、Inovativeな部分では勝つことができる。」と仰っていたのは、なんだか複雑な気持ちで聞くことになりました。

私はストラテジーについては、過去に独学でそれなりに勉強していたので、知識としての新たな学びはあまりありませんでしたが、ケーススタディを通じて、何度もその知識を応用したことで、モノの見方が多少変わったように感じています。ポーターのファイブフォースの要素を5つ言えることと、それを実際に使って考えられることとは当然ながら別次元の話です。

(教授の紹介ページ)
Tuck School of Business | J. Ramon Lecuona Torras (dartmouth.edu)


2.マーケティング (教授:Prof. Sharmistha Sikdar)
市場調査の方法、分析手法、セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング、3C、4Pのフレームワーク等、マーケティングの基礎事項を網羅的に学習。実践面では、様々な企業のCMを見ながら、学習した事項を使ってどういったコンセプトで作られたものかを考察したり、与えられたデータを元に、特定の商品(キリンビール等)のポジショニングを考えたりもします。

また、Markstratというソフトウェアを用いて、各スタディグループ毎に、マーケティングのシミュレーションゲームをしたりもしました。顧客ニーズや競合動向を分析しながら、新商品開発や既存の商品の価格戦略、製造計画、チャネル戦略等を考えます。各意思決定に基づいて市場シェアや売上・利益が算出され、それらを反映した株価が最終的に一番高いチームが優勝です。うちのチームはリスクを取って新商品開発に一番早く乗り出したところ、最初はR&Dコストが嵩み、最下位にまで転落しましたが、見事新商品をヒットさせ、優勝することができました。

教授が非常に淡々と授業を進めるため、授業としては正直イマイチだと感じましたが、テスト勉強をしながらスライドを読み返していくと、各フレームワークが実例と共に良く纏まったいい資料だなと思いました。内容もさることながら、教える側の熱量がとっても大事だなと感じます。

(教授の紹介ページ)
Tuck School of Business | Sharmistha Sikdar (dartmouth.edu)


前にブログに書いたDan教授のお宅訪問時に、「Tuckの教授は(自身の研究もあるのに)何故そんなに生徒を教えることに情熱を傾けられるのか」と聞いた際、教授にしても元々人との関わりが好きな人がTuckに来がちという前提はありつつ、「前期後期制ではなく、クォーター制を取っており、あるクォーターは生徒の指導にだけ注力し、それ以外のクォーターは自分の研究に集中するといったメリハリの利いた時間の使い方をできるからだ」と仰っていました。教授がエネルギッシュだとこちらのやる気も増すので有難いです。

長くなったので、残りの二科目はまた別途書きます!