リバース・イノベーションの生みの親であるGovindarajan教授はGlobal Thinkersでも3位に選ばれており、私もキャンパスを訪問する受験生からこの教授に関して質問を受けることが非常に多いです。これまで受験生の人たちに対して私は、「まだ実際の授業を受けたことがないのでよく分からない」と答えてしまっていた部分があるのですが(笑)、ようやく今学期から彼の授業を受けることになりました。組織の中でのstrategyの組み立て方は1年生の必修授業で学ぶのですが、2年生の選択授業であるImplementing Strategyでは、企業がstrategyを実践に移していく際の問題点に着目しながら組織の最適運営を考えます。
● Strategyとは10年後の企業の在り姿を考え、そこから「逆算」して今何をするべきかを考えること。現状を把握して、それを「積み上げ」、延長線上に企業の未来予想図を描くことではない
● 企業の中でstrategyを策定する際は、現場からのbottom-upで中身が詰められていくべきであって、経営層からtop-downで内容が固まっていくべきではない
● Strategyは次の3つの問いに対する回答になっている必要がある。①顧客は誰なのか?②顧客が求めているvalueは何なのか?③我々がそのvalueを提供する為のvalue chain architectureは何なのか?
毎回授業ではひとつの企業を取り上げ、非常に細かく分析を行い、クリアカットな結論を出します。教授が(プロなので当たり前のことではあるのですが)相当な時間を掛けて授業の準備をしてきていることが感じられます。今まで扱った企業の中では、Johnson
& Johnsonと3Mが個人的には興味深かったです。最近はGoogleやFacebookなど急スピードで成長する企業が注目されますが、長期間に亘って第一線で活躍を続ける企業の分析も有用です。1980年にFortune 100に入っていた企業で、2015年現在もFortune 100に残っている企業は22社のみ(含むJohnson &
Johnson、3M)とのこと。入れ替わりの激しい時代であることは間違いのないことである一方、どのような時代になっても力を発揮し続けることが出来る企業も存在するのです。と、こういう話をしていると、ジム・コリンズのビジョナリカンパニーを思い出す人も多いかと思います。Govindarajan教授も、経営者が「第5水準リーダー」であることはとても大切な要素であると授業中に常々述べています。
よしかん(T’15)