2017年2月26日日曜日

アメリカでの就職活動について – Part 1

Tuck ‘18M.Mです。

今回はアメリカの就活事情に関してのエントリー Part 1です。

MBA生は、多くの生徒がSummer Internshipを通して卒業後のFull time offerをもらうので、とても大事な夏のSummer Internship。僕は卒業後アメリカ西海岸に戻ろうと考えていたので、アメリカ西海岸のBankingに絞って就活をしていたので、以下簡単にアメリカの就活事情をお伝えしようと思います。今後日本のMBA生でアメリカで就活をされる方のご参考になればと思います。

日本に戻る場合の就活の流れは、沢山のMBA生の方がブログで書かれているので、そちらに譲るとして、アメリカでの就活の大まかな流れは、Bankingに関して言えば、以下の流れになります。(多少の差異はありますが、Consultingも大体似たような流れになるようです。)

1-9月:Pre-MBA Recruiting
MBA後に行きたい業界が決まっている場合は、BankingConsultingConsumer Retailなどの業界で、Pre-MBA EventsPre-MBA Scholarship Programなどがあります。MBAが始まる前にSummer Internship Offerを出す企業もあり、Summer Internship Offerを出すまではいかなくとも、実際のOn Campus Interviewで一次・二次面接をスキップして直接最終面接に進めたり、同じ業界での就活で面接に呼ばれやすくなったり有利に働くので、MBA後に行きたい業界が決まっている方は積極的に応募することをお勧めします。僕はアメリカでいくつか銀行のProgramに応募したのですが、有無を言わさず、見事に落とされました。後から、受かったクラスメートらの話を聞くと、基本的にGMATの点数とResumeでスクリーニングして、何度か面接をしてOfferをもらったようです。

アメリカに住んでおらず、こちらのEventsに応募出来ない場合は、日本でも外資系投資銀行や外資系コンサルティングなどがPre-MBA Eventを通してSummer Internship Offerを出しているので、そちらに積極的に応募して、Summer Internship Offerを獲得しておくことをお勧めします。僕はちょうどVisaの書き換えで日本に帰ったタイミングと重なったので、外資系投資銀行の東京Officeの面接を受け、MBAが始まる前にOfferを頂くことができました。

9-11月:Networking
1月にある、実際のInterviewの次に大事なのが、この時期に行われるNetworkingです。通常Business Schoolが始まるのは8月末ですが、BankingConsultingに限っては9月初旬から多くの企業がCampusを訪問して、Company Eventsが行われます。Company Eventsでは、多くの場合、企業のPresentationが1時間ほどあり、その後軽い軽食やドリンクが出されるNetworking Sessionが行われます。ここで企業の従業員の方々と積極的にNetworkingし、顔を覚えてもらったり、その後のInformational Interviewに繋げたり、希望しているOfficeに勤めている同僚の方に繋げてもらったりします。Campus Eventsの時期は学校ごとに異なりますが、大体各銀行それぞれ月に一度、合計2~3回ほどCampusを訪問し、Business SchoolCareer Centerが各銀行と調整して、ある時期にまとめて4~5つの銀行がCampusを訪問するというのが通常の形になります。ちなみに、アメリカでの就活は、多くの場合、学校ごとにRecruiting Teamがあり、その学校の卒業生で組まれていることがほとんどです。なので、ここで訪問する従業員は基本的にその学校の卒業生であることが多いです。

またこうしたCampus Eventsと並行して、Networking Sessionや各自で得たContactを通して、Informational Interviewを行います。Informational Interviewでは、基本的に初めに従業員の方に“Walk me through your resume” 、“Why Banking?” 、“Why this firm?”、“Why this group?”などの質問をされ、その後生徒側が用意した質問をするという流れになります。あとたまに、最近のM&AIPO案件で興味をひくものはあったかなどと質問されたりするので、自分の行きたい銀行・業界関連の案件は常に追っておいたほうがいいかと思います。

Tuckに限って言えばNYCまで車で6時間、西海岸だとバス・飛行機を乗り継いで約8~10時間ほど掛かるので、多くの場合は平日の電話でのInterviewが多く、直接会う場合は、木曜日の授業が終わった後に移動し、金曜日にまとめて数名の従業員の方とお会いするという形を取っていました。ただし、NYCにあるColumbiaなど、Business Schoolによっては、ほぼ毎日銀行のOfficeを訪問し、従業員の方とお会いしなければならないと聞いたことがあるので、ロケーションによって、求められるInterviewの頻度などが変わるようです。

僕の場合は、応募予定の銀行を4~5つにしぼって、各銀行のTuck卒業生の方3~5名とInterviewし、西海岸の同僚の方に繋げてもらい、何度か電話でのInterviewを済ませた後、ほぼ毎週末西海岸を訪れ、各銀行のOfficeを訪問していました。

このセクションの冒頭でも言いましたが、アメリカでの就活においてNetworkingは本番のInterviewと同じくらい大事です。なぜNetworkingが大事かというと、ここで本番のInterviewに呼ばれるかどうかが決まるからです。Bankingの場合(Consultingで就活していた友人に話を聞く限り、Consultingでも同じようです)、基本的に全ての銀行がExcelなどで全応募者のリストを作成・管理しており、そのファイルには全てのCompany Eventsの出席やそこでの受け答え、Informational Interviewでの受け答えなどを記録しており、Recruiting Teamの全員が閲覧できるようになっているそうです。各銀行は、そのファイルを通して、各応募者のBankingに対するコミットメントや実際の仕事の理解度などを計り、実際にどの生徒をInterviewに呼ぶかを決定します。なので、Networkingの時点で、いい印象を残していないと、応募してもInterviewに呼ばれないということになるので、一つ一つのCompany EventsInformational Interviewで気を抜かず、きちんと準備して臨むことをお勧めします。


今回は以上になります。次回、アメリカの就活事情に関してのエントリー Part 2では、Resume Drop Close ListInterviewOfferに関してお伝えしようと思います。

2017年2月14日火曜日

Winter term electiveについて

だいぶ更新が遠ざかってしまいました。2年生のDysonです。
VisitしてくださるApplicantの方からもElectiveに関する質問を多くいただくので、今回は私がFall termに履修したElectiveについて概略を書きたいと思います。

-Entrepreneurship and Innovation StrategyProfessor Adner
授業名について「MBAの学生が好きそうな単語を並べて人気授業にしたかった」と冗談を言っていましたが、基本的には新しい技術を持った会社(特にスタートアップ)がどのように市場を開拓すべきかを学ぶ授業です。授業では、Professorのフレームワークを用いて、実際の企業の成功例・失敗例を分析し、なぜ成功・失敗したのかを学んでいきましたが、毎回目から鱗が落ちるような展開が用意されており、非常に学びの多い授業でした。
中間レポート、最終プレゼンではチームを組んで新しい技術がどうすれば普及するか、何が障壁となっているのか等を分析しました。
Professor Adnerは授業の進め方も非常にうまく、毎回活発な議論が繰り広げられていました。Tuckで受講した授業の中でOne of the bestです。

-Countries and Companies in the International EconomyProfessor Bernard
長いタイトルですが、クラスメイトはCACIE(カーキー)と呼んでおり、要はコアにあるマクロ経済学(Global Economics for Managers)のAdvance版という位置づけです。担当するProfessor BernardTuckでもTop5に入るであろう人気Professorで、クラスメイトの何人かはFan化しており、彼の授業は必ず受講する人もいます。この授業も非常に満足度の高い授業でした。
この授業では、まず実際のニュース記事を読んで、マクロ経済学的にどのような点が間違っているか、実際にはどのようなメカニズムなのかをクラスでDiscussionします。そして、授業の後半は事前に読んできたCaseをベースに、企業としてマクロなイベント(リーマンショック、アジア通貨危機等)に対してどのように対処すべきかをDiscussionします。Caseはハードですが、ProfessorがクラスをEngageするのがうまく、毎回白熱した議論が展開されました。
Professorはどうやら日本好きらしく、彼の授業では日本のCaseが必ず取り上げられますし、日本に関する話がTopicとしても度々出てきます。この授業でも、日本に進出した米国企業のcaseやドル円為替レートの変動が米国企業に与える影響がTopicとして取り上げられるなど、日本人として大変興味深い話題も多かったです。
ちなみに、この授業は元々2コマ開講される予定でしたが、あまりに人気で、受講できない人が出たため、Professorが「それなら3コマやるよ」と言い、急きょ3コマ開講されることになりました。このエピソードから、いかにProfessorが教育熱心かがわかるかと思います。

-Global Strategy and ImplementationProfessor D’Aveni
Thinker 50のもはや常連にもなっているProfessor D’Aveniのコース。グローバルに展開している企業がどのようにLocalizeStandardizeをバランスするのか、どのように生産・販売拠点を最適化すべきか等を学んでいきます。Professor D’Aveniのコネクションで素晴らしいGuest speakerが訪れることも特徴の一つ。Cargill(世界最大級の穀物メジャー)CEOや兵器製造会社のCEO等が訪れ、レクチャーをしてくれました。また、Guest speakerのセッションの後にはProfessorと各Guest speakerのプレゼンテーションの仕方、内容等を分析します。プレゼンテーションにおける細かいジェスチャーや言葉の選択等で人に与える印象が全く異なることがよくわかり、大変参考になりました。Professor D’Aveniは個性のかなり強い教授で、自分がある国で拘束されかけたときにCIAに助け出された話等、面白い話もたくさんしてくれます。

-Real EstateProfessor Vogel
不動産ビジネスに関する基礎を学ぶコースです。ビジネスという観点だけでなく、個人として家やマンションを買う上での参考にもなるため、学生からの人気も高いコースです。
Professor VogelTuckで長年教えていたProfessorでしたが、残念ながら私が受講したこのクラスを最後に引退されてしまいました。Real estateのクラス自体は今後もありますが、違うProfessorとなります。
オフィスビル、リゾートホテル、アパートメント、ショッピングモール等、様々な不動産を題材に開発・投資・賃貸の意思決定をするうえで、どのようなことを考えなければならないのかをCase discussionをベースに学んでいきます。アメリカだけでなく、イスラエルや中国の不動産も題材として取り上げられ、イスラエル・中国からわざわざGuest speakerも来られ、非常に貴重な話を聞くことができました。