2014年8月31日日曜日

MBA, Healthcare, Dual degree

以前、MBA受験を検討中の方と話していた時、その方はMBA卒業後に医療関係の分野で働くことを希望しており、「MBAとHealthcareで検索したところ、Tuckに興味を持った」とおっしゃっていました。今回は、TuckやDartmouth大学におけるHealthcare教育の種類、そして2つの学位を取得するDual degreeについて、お話します。
 
1.       Healthcare Initiative at Tuck

Tuckでは、MBAのカリキュラムの中で医療関連の様々な講義を受講することが出来ますが、さらにHealthcare Initiative at Tuckと表して、Dartmouth大学内の医療系の組織を統合して、Healthcareに関連した様々な教育を受けられる機会を提供しています。
例えば、Dartmouth大学には、Geisel School of Medicine at Dartmouthという、アメリカで4番目に古い歴史を持つ医学部があり、その中の組織であるThe Dartmouth Institute (TDI)では、公衆衛生学修士 (MPH: Master of Public Health)の講義が行われています。Tuckの学生は、TDIにてMPHの授業を受講できますし、またMBA/MPHのDual degreeとして受講する場合には、もちろんMBAとMPHの両方の学位を取得できます。またDartmouth大学として、Mater of Healthcare  Delivery Scienceという修士教育を数年前より新たに開始しており、TuckとMedical schoolの教授陣がTuckの校舎で講義を行っています。
こちらのビデオでは、 Senior Associate Dean Robert Hansen教授が、Healthcare opportunities for Tuck students at Tuck/Dartmouth について話しています。医療関連の様々なカリキュラムの中から、自分にベストと考えられる機会を選択して学べるのは、Tuckの強みの一つと言われています。

Healthcare opportunities for Tuck students at Tuck/Dartmouth

Senior Associate Dean Robert Hansen discusses healthcare opportunities at Tuck and more broadly at Dartmouth. - See more at: http://www.tuck.dartmouth.edu/newsroom/multimedia/videos/healthcare-opportunities-for-tuck-students-at-tuck-dartmouth#sthash.43G9UbHf.dpuf
2.       Dual degree (Double degree, Joint degree) at Dartmouth College

Dartmouth大学はMBA (Tuck) 以外でも高い評価を受けており、様々な学びの貴重な機会を学校側が学生に対して提供するため、Dual degreeの制度を積極的に取り入れています。例えば、私が受講しているMBA/MPHの他にはMD/MBAやPhD/MBAなどがあります。また他校と共同で行うDual degree としては、MBA (Tuck) / MPA (John F. Kennedy School of Government at Harvard University) やMBA (Tuck) / MA (School of Advanced International Studies at Johns Hopkins University) などで学んでいる学生がいます。MBA卒業後の進路が比較的明確である場合などで、また今後に役立ちそうであれば、検討されることをお勧めします。


3.       時間・学費について(MBA/MPH

Dartmouth大学でMBA/MPHとして学ぶ場合、その講義を2年間に集中させる方法と、2年半とする方法のいずれかを選択することが出来ます。2年間に集中させる場合、夏休みなどの期間が短くなりますが授業料はMBAのみの場合とほとんど変わりません(約1300万円)。また、2年半とする場合は、時間には比較的余裕がありますが、6ヶ月分の学費が追加となり、2年半の授業料は約1600万円となります。私は、以前の投稿の通り、2 年分の全額を大学・QUORUMを通して貸与を受けています。


4.       最後に

私がCampus visitでTuckを訪れた時、医療系の興味を事前に伝えていたことや、また会って話を聞いてみたい教授の名前を伝えていたこともあって、admissionやHealthcare関連の事務の方が、MBAとMPH双方の方々と面談するスケジュールを分刻みで作ってくれていました。Tuckのadmissionは、受験生にTuckの魅力を伝えるため大変親切でまた協力的です。Tuckのカリキュラムについて疑問がある場合、是非、visitの貴重な機会を活用して下さい。




Kazu (T'15)

2014年8月4日月曜日

MBA留学って本当に意味あるの?!(独学とは何が違うか)

MBAで学ぶ内容は、独学で習得することは出来ないのか?

これは『義務教育ではない高校に通わないで独学で勉強することは出来ないのか?』、『4年制大学に通わないで独学で勉強することは出来ないのか?』と主張することに似ているでしょうか。確かに知識を身に付ける為だけであれば、高校や大学に通わずとも、独学で対応可能なのかもしれません。敢えて高校や大学に通うのは、『高校生活』や『大学生活』という『体験』を通じて、友達を見つけたり、部活で仲間と共にひとつのことを達成する喜びを知ったり、団体行動を通じて社会性を身に付けたり、○×大学卒という肩書きを就活で活かしたりと、『知識の習得』以外の要素が多分にあるからだと思います。ビジネススクールも学校なので同様のことが言えますが、もう少し細かく見ていきたいと思います。


1.知識ではなく『納得感』として身に付けるハードスキル
112です』ということは本を読んで理解することが出来るかもしれません。但し『時には遠回りすることも重要である』というようなことは本を読んだだけで『なるほど、そうですね』とすぐには納得出来ないことがあるかもしれません。議論を通して自分なりに納得して、その結果として身に付ものがあります。これは独学で習得することが出来ません。リーダーシップの授業で習うマインドセットの多くや、マーケティングの授業で習うフレームワークなどがこれに該当しますMBA一年目のtakeawayの冒頭でも触れた『体験』と『知識の詰め込み』の違いについて下に再掲させて戴きます)。

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MBAの授業内外で毎日同級生と繰り広げられる議論、その中で相手を自分の言葉で納得させたり、或いは逆に自分が論破されてしまったり。それによって自分の考えが変わったり、或いはやはり自分の考えが正しかったのだと自信を持つことが出来たり。自分とは全く異なる人生をこれまで歩んできている同級生による言葉、その言葉の奥にある考え方、その考え方のもっと奥にある生き方。そういったものに触れながら自分が刺激を受け、又同級生に対しては自分が刺激を与えられる存在となるよう努める。(中略)単なる知識の詰め込みとは異なるMBAというものの深みがあります。

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2.刺激を受けることで学ぶソフトスキル
私がTuckに入学して最初(秋学期)のstudy groupは次のような構成でした。
 弁護士/男性(アメリカ人)
 医者/男性(アメリカ人)
 コンサルタント/男性(アメリカ人)
 投資銀行員/女性(アメリカ人)
 会計士/女性(イギリス人)
 私/男性(日本人)

この6人で一緒になって毎日、次から次へと課題を解いていかないといけない時、自分はどのようにチーム内で付加価値提供が出来るのか?チームワークについて色々と考えさせられました。  

或いは”Managerial Communication”というプレゼン方法について学習する必修授業があるのですが、ここでは毎週のようにプレゼンをさせられるのと同時に、毎週のようにクラスメートのプレゼンを見ることが出来ます。クラスメートのプレゼンの良いところや悪いところを見ることで学べることは多いです。

以上のように、チームワークやプレゼンのようなソフトスキルは自分一人で育てていくことは出来ません。周りに多くの人が居て、その中で自分が刺激を貰うことが必須条件になります。


3.就活の為の基盤
ビジネススクールの学生はほとんどが転職をする為に来ています。就活を考えた時、ビジネススクールに所属していることで得られるメリットが大きいです。

1)情報、サポート
学校の就職課は企業側と連携しているので、大量の情報を持っています。専属スタッフも多数居ます。自分でインターネットで情報収集するのも良いのですが、学校の専門スタッフに相談しながら就活を進めることで、自分の目指すキャリアに沿った形での準備が出来ます。Tuckの場合、圧倒的な就職率を実現していることもあり、就職課も高い評価を受けているようです。
http://www.tuck.dartmouth.edu/careers/employment-statistics

これはTuck就職課コンサル担当Stevenの本です。
http://www.amazon.com/How-To-Get-Job-Consulting/dp/1484150635

2)ブランド
これは分かり易いですね。各企業とも『MBA採用』という枠を予め設けてあるので、そこに乗っかることが出来るだけでかなり有利になります。やはりMBAの肩書きがあるに越したことはありません。

3Logistics
トップスクールにはほとんどの企業の採用担当が直接キャンパス(学校)まで来て採用活動を行います。説明会もそうですが、一次面接なども学校のstudy roomを使って行われます。二次面接、最終面接と進んでいくに連れて、直接本社まで足を運ぶ必要性も出てきますが、Tuck生活で最も忙しいと言われる一年生の冬学期、勉強に就活に追われ異常なスケジュールをこなす中で、学校のキャンパスで採用面接を受けられることは本当に物理的に助かります。

ちなみにインターンという投稿で少し触れましたが、企業派遣でMBA留学している人も、(派遣元の企業に認められるのであれば)夏季インターンの為だけにでもTuckで就活をしてアメリカで働く経験を積むことをお薦めします。

++++

話があちこちいってしまいましたが、独学だけでは得られないものがMBA2年間の生活には多くあります私の学年の入学式でDean Danosは、『あなたがこの2年間で得るものは大きく4つある。Knowledgeintegrityleadershipfriendship』と述べていました。間違いなく言えることは、全生徒がlife changing experienceを求めていることだと思います。

よしかん(T’15