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2021年1月16日土曜日

Tuckの就活サポ-ト

 いよいよ2nd Roundの面接シーズンになりましたね。出願頂いた方は、大変な時期と思いますが、もう一踏ん張り。お体にはお気をつけて、是非頑張ってください!

さて、10月頃から続いた長い就活もようやく一段落したので、Tuckにおける就活サポートについて、ご紹介したいと思います。

まず、Tuck生の進路ですが、コンサルが3~4割、金融系が3割、テックが2割、残りはその他色々といった、ビジネススクールにおいては割と典型的なものとなっております。私自身も、コンサルティング業界でのインターンの機会の獲得を目指して頑張ってきました。


(1)キャリアセンター

ビジネススクールの就活においては、各スクールでキャリアセンターが様々な面で支援をしてくれます。Tuckにおいても、各種情報提供、レジュメの作成サポート、面接の練習、イベント/セミナーの開催等々、沢山のサポートを得られます。また、キャリアセンターの職員も、元マッキンゼーといった人達ばかりですので、かなり実践的なアドバイスがもらえます。私の場合は、10月~12月にかけて、5回ほど1対1での模擬ケース面接を実施してもらいました。1人1人に手厚いサポートを提供できることは、スモールスクールたるTuckの強みです。


(2)キャリア系のクラブ

コンサルティングクラブ、ファイナンスクラブ、テッククラブ、ゼネラルマネジメントクラブ等、希望する進路を同じくする生徒達で形成されたクラブが多数あります。

既にその業界のトップ企業からオファーをもらっている2年生を中心に、企業とのネットワーキングイベントの開催、学生同士の交流イベントの開催、面接対策等々を行っています。

私が所属していたコンサルティングクラブにおいては、1年生4人に対して2年生1人のメンターがつき、ケース面接について丁寧なレクチャーを行ってもらえた他、その後はメンターであるかどうかは関係なく、2年生との1対1での模擬ケース面接を実施してもらえます。私は5~10回程、練習に付き合ってもらいましたが、多い人はその倍以上2年生と練習していると思います。

また、1年生同士での練習の機会も、クラブ内でのマッチングにより実施され、合計50回くらいケース面接をやっている人もいました。(キャリアセンターや2年生との練習も合わせて、平均すると大体皆さん30回くらいはやってるのではないでしょうか・・・)

その他のキャリア系クラブも大体似たような活動をしています。


(3)アルムナイネットワーク

特にアメリカで就活をする場合、ネットワーキングに相当な時間を費やすことになります。多い日は一日15回もコーヒーチャットをしているような猛者もいました。カバーレターに、「御社の○○さんと話して・・・」みたいなことを書いて志望度の高さを示したりするようです。この場合、自分が進みたい企業にアルムナイがいるととってもスムーズにいくのですが、Tuckの場合、トップスクールの一つでもあり、みんなが目指す有名企業には大抵アルムナイがいる他、みんなTuckが好きなので、Linkedin等でいきなり連絡をしても、レスポンスがいい人が多いと聞きました。(私自身は東京オフィス向けで就活をしているので、クラスメイトから聞いた話となりますが・・・)

これはTuckに限らずですが、MBA取得者はPay it forwardの精神を大切にしている人が多いように感じられ、頼れるアルムナイネットワークがあることは、大変心強いことかと思います。


(4)冬学期のスケジュール

Tuckは秋学期を2つに分け、相当詰め込みで勉強する代わりに、冬はコア科目が2科目しかなく、選択科目を取らずに就活に全力を注ぐことも可能なスケジュールになっています。また、多くの選択科目も含めて、月曜と火曜に時間割が寄せられているため、水曜から毎週五連休とすることもでき、NYや西海岸にも飛び回れるようになっています。(尤も、今は大抵Zoom面接ですが。)

これは就活の支援を重視しているとともに、就活を理由にアカデミック面を妥協することを良しとしないというスクールの方針の顕れだと個人的には思っています。中途半端に両方やるぐらいなら、秋は勉強、冬は就活、春からまた勉強とメリハリの利いたスケジュールで留学生活を送れというメッセージなのだろうと・・・


そんなこんなで、本当に大変な就職活動ですが、学校一丸となって乗りきっていこうという雰囲気があるので、楽しんでやれたと思っています。入学早々から活動が始まり、ウンザリしますが、これもMBA生活の醍醐味かもしれません。

2015年6月2日火曜日

ゲスト・スピーカー

初めてポストをさせて頂く、Class of 2016 (T’16) のYosukeです。
私の最初のテーマとしては、ビジットをして頂く受験生の方々によく質問を受ける「ゲスト・スピーカー」について書きたいと思います。他の学校と同様、Tuckにお越し頂いた方々とは在校生とのチャットの時間を設けさせて頂いており、下記の様なご質問を頂きます。

「Tuckはトップスクールの中でも1番田舎にあり、他校と比較した際にゲストスピーカーの訪問が少ないのではというイメージがあるのですが実際はどうですか?」

上記の質問は非常にフェアな質問だと思いますし、私自信もトップスクールに行く一つの魅力として様々なビジネス分野で活躍しているexecutiveとの交流がpriorityの上位にあります。そして質問の答えとしては、Tuckではその様な機会がとても多くあります。この一年間で私が実際に聞いた講演の一部をご参考までにリストします。

  • ESPN International: マネージング・ディレクター
  • Anglo American: 元CEO
  • Siemens USA: CEO
  • Cargill: Chairman
  • National Football League: Chief Marketing Officer
  • Pearson (大手出版会社、Financial Times, The Economist等): ゼネラル・カウンセル
  • 大手グローバルヘッジファンド のプレジデント
  • 大手コンサルティングファーム、投資銀行、投資ファンドのパートナー(多数)
  • ベンチャーキャピタリスト(多数)
  • 様々なジャンルで活躍している起業家(多数)

この他にも全て把握するのが困難になる数のゲストスピーカーがTuckを毎週訪れます。
そして、Tuckの良い点として、学校が田舎にあるためexecutiveも講演の前日にHanover入りすることが多く、少人数(6~8名)で生徒とのランチもしくはディナーや1対1のチャットの時間が多く設けられパーソナルなレベルでの交流が可能となります(人気の場合は抽選)。

また、レアなケースではありますがこの様な講演を通じてサマーインターンシップを獲得した同級生もいます(“HOW I LANDED A SUMMER INTERNSHIP AT SIEMENS USA”)。普段の教授とのディスカッションとは違ったreal lifeの話を聞くのは非常に刺激的で、2年生になっても積極的にこの様な機会を有効に活用したいと思っています。



Yosuke (T’16)

2014年11月14日金曜日

人を動かす

Tuckの校内に、Tuckグッズを販売しているTuckStuffという名前の店があります。

この店は完全にTuck生のみで運営されています。学校側は場所を提供するだけで、運営には一切口を出しません。現在、現役2年生6名及び現役1年生7名の計13名がスタッフを務めていて、13人の有限会社のような状況です。どういった商品を置くのか(Tシャツ?カバン?ゴルフボール?ワイングラス?)という商品デザインから、調達、プロモーション、店内販売業務まで全てをこの13名で行います。いま中心メンバーとなっている2年生は私の同級生に当たりますが、彼等は今年から以下2点に新たに力を入れました。

① 新作商品が入荷される度にFacebookでプロモート
② これまで補足販売的な位置付けにあったweb経由での販売にも注力(webコンテンツの整備、積極的なプロモーション)

その結果として、今年に入ってから売上が驚異的に伸びたようです。TuckStuffの主要取引先はPatagoniaで、TuckStuffの商品デザイン担当は頻繁にPatagoniaと新商品に関する意見交換を行っています。Patagoniaから見ても、全米各地の販売の中でTuckStuffに於ける販売率が非常に好調なので、同社からTuckStuffに『どのようなマーケティング手法を採用しているのか?』との問い合わせがありTuckStuffがプロモーション内容をPatagoniaに紹介するということも今年はありました。

TuckStuffは学生による自主運営ですが、学校に対して帳簿内容を全て公開して、TuckStuffの利益は全額Tuckに収められます。働いている13人に対して一切給料は払われません。相当な時間と労力を費やすことになりますが、『自分たちでTuckStuffを経営する』という経験を得る為に学生たちは関わっています。TuckStuffのスタッフを務める同級生の内3人にTuckStuffに関与するモチベーションに関して聞いてみました。

投資銀行に進むことが決まっているC(男性)は、『投資銀行に進んで今後様々な企業にfinancialなアドバイスをしていくであろう中で、自分自身が実際の企業の帳簿を作るという経験を積んでおきたかった』と述べています。彼はTuckStuffでは会計を担当しています。

TuckStuffで調達を行っているV(女性)も、次の自分のキャリアを見据えて経験を積んでおきたいという点に於いてCと同じでした。『今後リテール向けコンサルティングに進んでいく中で、自分自身がリテール業務を正しく実務として理解しておく必要がある』とのこと。

COOを務めているH(女性)からは、少し想像と違った回答を得られました。『自分が一番興味があるのはHR。従ってどのように人を動かすのかということに関心がある。スタッフは13名とも前向きにTuckStuffに取り組んでいるが、当然にモチベーションのレベル感や興味の方向性は異なる。そういう中で人を纏めていく経験を積んで、自分の次のキャリアに活かしていきたい』とのこと。

特に最後の人を動かすというのは説得力のある話だと思いました。ビジネススクール、リーダーシップ、というのは結局はどのように人を動かすのかということに繋がっていきます。Tuckの同級生は皆非常に存在感のある人たちですが、それぞれが異なる方法で周りの人を惹きつけていっている点が非常に興味深いと私はいつも思っています(その辺りの頭の整理は過去の投稿もご参照下さい)。

キャンパスビジットでTuckに来た際には、是非TuckStuffにも立ち寄ってみて下さい!

(この日居なかったスタッフが1名居るので写真は12名です)
よしかん(T’15

2014年11月1日土曜日

Mission Statementの進捗

Everyone needs a goal in life. という訳で、ご参考までに私のTuckに於けるMission Statementを紹介させて戴きます。こういうものは入学前、或いは入学してすぐ作成することに意味があるので、私も昨年の20139月(Tuckに入学してすぐ)にこれを作成しました。私はfinance backgroundが全くないので、多少内容が偏っていますが・・・。

Tuckで自分が得たいもの】
1. ハードスキル(特にファイナンス)
2. 世界のエリートたちとの比較を通じた自分の立ち位置(実力)の把握
3. アメリカ文化(特に北東部の文化)に対する更なる理解

Tuckに自分が提供したいもの】
1. 日本人の国際競争力の証明
2. 自分のエネルギー業界での経験及びアジアビジネスに関する知見に基づく、クラス及びスタディーグループへの貢献
3. 日本に於けるTuckブランドの地位向上

私がMission Statementで述べていることは具体的なaction planですが、実際にこれらを実践することで以下3つの問いに対する答えが見えてきたことに、今はMBA留学の意義を感じているところです。

自分は今どこに居るのか?
世界中から集まった同世代の仲間たちと自分を比較することで、『自分の強みと弱み』を徹底的に思い知らされました。

自分はこれからどこへ向かうべきなのか?
世界経済がダイナミックに動いている中で、自分の強みと弱みも踏まえ、『世界の中に於ける自分の役割』が見えてきました。

自分はこれからどのようにして目的地に向かって進んでいくべきなのか?
世界で活躍していくリーダーとしての前向きな姿勢、特に『アメリカ流の積極性』を強く意識するようになりました。

ちなみに『アメリカ流の積極性』ってなんじゃ?!ということですが、これは『極端なほどに徹底された当事者意識、決断力、柔軟性』と私は解釈しています。

MBA lifeも残りあと7ヶ月となってしまいましたが、私は今日も変わらずMission Statementを胸に、同級生たちと切磋琢磨していきたいと思っています。

Halloween当日の自宅前)
よしかん(T’15

2014年6月29日日曜日

インターン

夏休みの期間を利用して、現在は学校(ニューハンプシャー州)から遠く離れたミシガン州にある某製鉄会社でインターンをしています。Tuckの私の学年に関して言えば、1年生と2年生の間の夏休みとなる今のタイミングで、8割以上の同級生がどこかの企業でインターンをしています。インターンをしていない人は、企業派遣でMBA留学に来ていて且つ会社の規定上インターンが認められていない、起業する(又は既にしている)ため就活を行わない、まだ就活を始めたくない(2年生になってから始める)、などの理由によるものです。もちろん夏休みのインターン先がMBA卒業後の就職先とならない場合も沢山ありますが、まずは夏休みにインターンをして、インターン先からフルタイムのオファーを貰うことを目指すというのがひとつのMBAに於ける王道的な就活パターンとなります。

インターン先を都市別で見ると、以下の通りです(Tuckの私の同級生の場合)。
1位 New York27%
2位 Boston21%
3位 San Francisco15%
4位 Seattle6%
5位 Minneapolis4%
6位 Detroit3%

TOP5とせずにTOP6としているのは、ただ単に私が居るDetroitをどうしてもランクに入れたかったからだけです(笑)。大部分がアメリカですが、同級生は世界中の40近くの都市に散らばっています。業種別ではコンサルが一番多く、その次が投資銀行となります。期間は様々ですが、多くは10-12週間です。日本人の場合、アメリカ企業の東京オフィスでインターンするというパターンもあるかと思いますが、せっかくの機会なのでアメリカでインターンをしてみるというのも良いと思います。私の場合、日本企業でしか働いたことがなかったので、今のように日本人が一人も居ない会社で働くというのは非常に新鮮な経験となっています。またインターンは、『MBAで学んだことが実際のビジネスで活きるのか?』ということを確認する場でもあると考えています。経営層と現場の温度感の違い、上司とその上司の方向性の違い、といったどこの会社にも見られるような問題は、もちろん私の今のインターン先にもあります。MBAで学ぶリーダーシップ、ストラテジー、オペレーション等々を意識しながら、毎日仕事に取り組んでいます。

(写真は地元Detroit Tigersの本拠地Comerica ParkTuck直接は関係ありませんが。。。)
 よしかん (T'15)

2013年12月23日月曜日

How classes intersect with career interests - 期待以上に役立っている授業経験 -

授業とキャリア

あっという間に2年目のFall Termも終わり、MBA生活も残すことあと半年になってしまいました。既に業務経験が7年あったのと、元々勉強嫌いな私はMBAの授業に対してあまり高い期待を持っていなかったのですが、これまでを振り返ってみると、想像していた以上に授業が自分の卒業後の志望キャリアへのステップとして役立っていることを実感する場面が多かったので、その点に関して焦点を当てて書きたいと思います。時期としては、Spring Term (1st Yr)Summer InternFall Term (2nd Yr)Winter Term (2nd Yr)に絞ります。

私のキャリア目標

まず、私の卒業後のキャリアとして希望している領域ですが、時期によって優先順位が入れ替わっていますが主に下記の3つです。

・アメリカ/日本のテック系企業(一部の大手、スタートアップ)
・起業
・ベンチャー・キャピタル(以降VC

TuckGeneral Managementで知られている学校なので、決してこの分野に興味がある人に対してTuckがベストな学校だと主張する気はありませんが、Tuckではやや少数派のキャリア志望(とはいえ2013年卒業生の13%がテック業界に進んでいます)の人にとっても、きちんと有用な授業を提供しているという事を伝えたいと思います。(参考までに最終的にTuckを選んだプロセスについてはこちら

Spring Term (1st Year)

今年から少し変更がありましたが、私の1年目のSpring Termの授業構成は下記の通りです。Electiveに関しては卒業後のキャリアとしてプライベート・エクイティ(以降PE)、VC、スタートアップのいずれも検討していたので、それぞれに関わる授業を履修しました。

Core(必修)授業
Operation Management
  •  オペレーションの重要なコンセプトと分析方法に関する授業でした。生産工程におけるボトルネックの特定や効率化の手段などを、チームを組んでのシミュレーションゲーム等を通じて定量的に分析して意思決定することを学びました。
Management Communications
  • 分かりやすいパワーポイント資料の作成とそのプレゼンテーションを鍛える実践的授業です。毎週課題が課され、少人数のグループの前でプレゼンテーションを行い、お互いにフィードバックをしてプレゼンスキルを磨きました。自分のプレゼンは毎回録画され、後で見てはがっかりするという感じでした・・・。
First Year Project
  • 5,6人のグループである企業に対するコンサルティングプロジェクトを行うか、起業を目指して自分達のビジネスプランを磨きます。FYPに関する概要はこちら。私は前の投稿で触れたプロジェクトをやることにしました。コモディティに近いナッツという商品のマーケティングを通じて、自分が殆ど馴染みのない業界で、馴染みのないスキルを身につけたいという考えで選びました。また、クライアントは農家ではなくナッツ農場を買収した投資家で、新しくビジネスを立ち上げるかのようにゼロベースで戦略を考えてほしいとのことだったので、面白い経験でした。

Elective(選択)授業
Entrepreneurial Finance
  • スタートアップの資金調達に関するファイナンス系の授業です。投資家側、起業家側、双方にとって役立つように設計されています。講義、ケース、ゲストスピーカーがほぼ均等に行われ、講義ではタームシートと呼ばれる一般的な資金調達の契約書に含まれる条項の内容や、その数字面でのインパクトの分析手法を学びました。ケースでは比較的直近のスタートアップを題材にしたものが選ばれ、投資家側と起業家側双方の思惑、創業者同士の最初の株式の分配、スタートアップのビジネスの評価などについて議論を交わしました。ゲストスピーカーはTuckの卒業生でシリコンバレーで活躍するテック系の起業家、大手ベンチャー・キャピタルの投資家などが呼ばれ、特定のテーマに沿って講義をする場合もあれば、自分達の実際の投資案件や経営中の企業を題材にディスカッションをする事もあり、授業後には個別に話してネットワーキングする機会にも恵まれました。
Leading Entrepreneurial Organizations
  • 3部構成になっており、1部ではスタートアップの起業時の分析、2部では創業する場所が企業の発展にどういう影響を及ぼすかを分析、そして3部ではいくつかのグループに別れて特定の領域におけるスタートアップの動向について、これまで学んだ組織に関連したフレームワークを用いて分析を行いました。授業の名の通りビジネス面よりも、組織面に重点を置いた内容でした。例えばテック系スタートアップ等のビジネスケースを通じ実際に起業に踏み切る局面でどのように共同創業者や初期従業員を募集し、どういう事を考えて採用するかについての分析や、有望なスタートアップが失敗した原因を創業者の内面から分析しました。また、5人の連続起業家やスタートアップでの勤務経験者などを呼んで、それぞれの人がどういう事を考えて起業至ったか、またどういう風にしてリスクを軽減したかなどについて話してくれるセッションもありました。まさに私は起業するかどうか、するとしてもどのタイミングでするかなどについて悩んでいた事もあり、非常にタイムリーな授業でした。
Structuring Merger & Acquisitions
  • 様々な方法(株式交換、現金による買収、条件付買収など)で発表あるいは執行されたM&Aのケースをもとに、限られた情報で適正なバリュエーションは何かについて議論する授業です。それを通じて、どのようなケースにおいてどういう仕組みのM&Aが望ましいのかということを、経営者として判断できるようにする事が目的です。既にCorporate Financeについてある程度の知識がある事が前提となっており、毎回自分で簡単なモデルを作成して分析をしてから授業に出ることが求められましたが、細かい数字分析よりも、そのM&Aがどういう意味を持ち、企業や投資家に対してどのようなインパクトがあるのかを理解する事により重点が置かれていました。

     
FYPで訪れたAustinにある広大な農場。夕飯のBBQの前にチームメートとクライアントとサッカー。


Summer Intern

夏にはサンフランシスコにあるVC3ヶ月インターンをさせて頂きました。主にサンフランシスコ/シリコンバレーのスタートアップに対して、初期段階(業界ではアーリーステージ企業と呼ばれ、資金調達のラウンドとしてはシード、シリーズAと呼ばれている段階)での投資をしている会社でした。私はテック業界での業務経験は渡米前に日本でやらせて頂いた1ヶ月のインターンしかなく、知識・経験が浅いので、事前に業界関連の本やニュース、ブログを読み漁りましたが、それ以外にもTuckで学んだ事も役に立ちました。私が任せて頂いた業務の中で、新規投資先候補企業の分析があったのですが、Entrepreneurial Financeで学んだいくつかのフレームワークや、授業で扱ったケースを自分で分析した時に見落としていたコンセプトが頭に残っていたので、社内の他のメンバーに対して自分の見解を述べる際に有用でした。また、インターン中に自分が担当した1社に対して実際に投資を実行することが決まり、同授業で学んだタームシート(投資契約書)を実際に精査する機会に恵まれました。一方で、やはりどんどん出てくる画期的なアイデアを持ったスタートアップのビジネスを評価するにあたって苦労する事も多く、その経験が次のFall Termでの授業の学びを濃くしてくれました。

サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ

Fall Term (2nd Year)

Spring TermElectiveを選んだ時はまだバイアウト系のPEも卒業後のキャリアとして考えていたのですが、夏のインターンを通じてVCを含めた広義のテック業界で働き、いずれ起業したいという気持ちが強まったため、それに基づいた授業選択をしました。

Entrepreneurship and Innovation Strategy
  • これはこれまでで自分の人生で一番面白く、Eye-openingな授業でした。教授のRon AdnerThinkers50という世界のManagement ThinkersのランキングでOn the RadarというTop 50の次点的な表彰を得ており、注目され始めています。授業の内容は、イノベーションによって新しいビジネス機会が創出された場合に、仮に経営者が合理的、セオリー的に正しい意思決定をした場合でも、実はそれが原因でいずれ失敗する理由について迫る授業です。HBSの有名なChristensen教授の名著「イノベーションのジレンマ」と一部では重複した内容ですが、Adner教授はオリジナルの見解・分析を加えています。教授が、「イノベーションが成功するには多くの要因が揃わないといけないので、成功率を高めるのは難しい。しかし、失敗を事前に予想する能力を高めることで、失敗する確率(要因)を減らすことはできる」と言っていたのが印象的でした。一見矛盾しているように聞こえますが、これがこの授業の本質の一つです。この授業を夏の前に学んでいたら、スタートアップのビジネスを評価する際にかなり役立っただろうなと実感しながら勉強していたので、今でも授業内容が鮮明に頭に残っています。
Advanced Entrepreneurship
  • 1年目のWinter TermElectiveIntroduction to Entrepreneurshipという起業に向けたビジネスプランを作る授業があり、この授業はその続編のようなものです。授業の2/3はゲストスピーカーで、成功した起業家、失敗した起業家、ベンチャーキャピタリスト、起業関連業務に携わる弁護士、営業のプロ、大企業の事業買収担当者として成功している人等々、様々な異なる立場からの話を聞くことができました。授業外では個人又はチームで起業プロジェクトを手掛け、最後の授業では投資家、経営者、起業家などで構成されるゲスト審査員に対してビジネスのプレゼンをしました。私は実際に起業を目指しているクラスメートと組んで、コンセプト作り、潜在的パートナーや仕入先の開拓、市場調査、収支予測、会社設立などに関わりました。プレゼンではManagement Communicationsで学んだ事とインターン中にシリコンバレーで学んだ事を融合させて実践し、ビジネスモデルを練り上げる過程では、質の高いサービスを競合よりも低い価格で提供しつつ利益を確保するために、Operation Managementで学んだコンセプトを使って生産工程の効率化やボトルネックを検証しました。
Consumer Behavior
  • マーケティングの授業ですが、細かなテクニックよりも消費者心理学に焦点を充てた内容でした。消費者の心理を動かす主要な原理を理解し、どのような事を考えてブランディングやプロモーションを行うことで効果的に消費者に購入するという行動を導き出せるかということなどについて学びました。授業は講義・ケース・ゲストスピーカーの組合せで行われました。宿題では、ある状況において自分がChief Marketing Officerだったらどのようなマーケティング戦略を取るか、という事を書いて提出する事を何度か求められました。この授業で学んだ事は、上述のAdvanced Entrepreneurshipで関わっている起業プロジェクトのマーケティング戦略やロイヤリティプログラムなどの骨子を策定する際に役立ちました。
Law, Technology and Entrepreneurship
  • この授業はThayerというDartmouthのエンジニアリングスクールの授業なのですが、Tuckの学生にもオファーされており、Tuckでは受けれない法務に関する授業だったので履修しました。起業に関連した法律や契約に関する授業で、知的財産(特許、著作権、トレードマーク)、雇用契約、会社形態毎のメリット・デメリット、そして設立時の必要手続き及び契約書類などに関して学びました。いずれも実際に起業をする際には必須の知識で、先程の起業プロジェクトで実際に会社の設立手続きを今しているところなので、早速役立ちました。

·     

       グループワークのミーティングの際のホワイトボードのメモ


Winter Term (2nd Year)

来年1月から始まるWinter Termでは、下記の経験・考えを基に授業を選びました。
  • Fall Term (2nd Yr)でやはりTuckStrategy系の授業は質が高いと再認識
  • テック業界で働く場合や起業する場合においても、Strategicな考え方は重要であると考えている
  • 有名起業の成功要因を理解しておくことは就活のインタビューや業界の人と話す際に重要であるとインターン等を通じて実感した
  • インターン中に会ったスタートアップや自分が現在関わっている起業プロジェクトでの経験を通じて、次々と進化するテクノロジーを活用した顧客とのコミュニケーションは重要と感じた
  • マーケティングはビジネスの重要な要素であるが自分はあまり経験がない
実際に履修予定の授業は下記で、全て希望通りに取れました。ちなみに、Tuckの授業選択のいいところの一つとして、スモールスクールなので取りたい授業が取れない事が殆どないことがあります。来期の授業なので、手短に内容を説明します。

Deconstructing Apple (Research to Practice)
  • これは近年Tuckで始まったResearch to Practiceという履修人数を10数名に限定した少人数講義で、教授の専門分野の中から特定のテーマに絞ってより深く掘り下げて学び、生徒同士、生徒・教授間のディスカッションを蜜に行うことを意図しています。この授業ではアップルの設立時から今日までの成功と失敗に関して、専門家によるリサーチなども参考にしながら分析します。
Digital Marketing Strategy
  • テクノロジーの進化に伴い人々のメディアの消費行動が変化していく中で、多くのマーケティング戦略・理論は時代遅れになっているため、変わりゆく消費者行動に対応した、新しいメディアを活用したマーケティング戦略を構築する必要があるというのが主旨の授業です。
Innovation Execution
  • 組織の中でイノベーティブなビジネスアイデアが生まれた場合、革新的な組織改革をするプランがある場合に、それをどのように組織の中で実行していくか、どうやって組織を動かすかという、General Management的な授業です。
Strategic Principle of Internet Business
  • インターネット関連ビジネスにおいて重要な戦略的要素を学ぶ授業です。LinkedIn, Zynga, Yelp, Foursquare, Monster.com, Amazonといった最近の有名成功企業をケースで扱います。
Database Marketing
  • 名前の通り、データを分析してマーケティング関連の意思決定を行うための分析手法を学ぶ授業です。テクノロジーの進化に伴い膨大なデータを迅速に収集・分析できる時代なので、今後より重要性が高まる分野だと思います。         
このように、あくまで1つの事例ですが、どのようにしてキャリアの興味と授業が結びつき、役に立っているのかを少しイメージして頂けたなら幸いです。特に他業界への転職を考えている場合は、もちろん授業だけでは十分ではないので、空いている時間で別途努力をする必要はあります。Tuckでは、授業外でも、課外活動に参加しながら自分のしたい事をする時間を自分次第でつくりやすい環境にあると思います。


Y.I (T'14)

2013年9月6日金曜日

Walmart Summer Internship

今月上旬でアメリカのアーカンソー州にあるWalmart 本社でのサマーインターンがようやく終ったので、そこでの経験について述べたいと思います。

Walmartでのプロジェクト
インターンは合計2ヶ月実施し、Walmartがビジネスを展開する11カ国(アメリカ、カナダ、メキシコ、チリ、アルゼンチン、ブラジル、日本、中国、インド、イギリス、南アフリカ共和国)の決済ビジネスの市場レポートを、各国の現地支社とのパイプ役となって作成するプロジェクトを任されました。
一番大変だったのは、異なる特徴を持つ各国とうまくコミュニケーションを取って情報を入手するプロセスと、吸い上げた情報をどのように統一した基準とフォーマットで取り纏め、各国の特徴を透明化していくかというところでした。個人的には日本、海外含めてそれなりにこの業界における知識を備えていた自信があったのですが、それでも色々と苦労しました。例えば、何故この国は先進国なのに現金払いが多いのか、何故この国には他の国に当たり前のように存在する支払手段が受け入れられていないのかといったギャップを理解したり、現地のFinancial teamとのやりとりでは、「本社はうるさい」とサポートを得にくい傾向をうまくコミュニケーションを駆使して情報を入手したりする必要がありました。さらに、各国の時差や各社の内部事情(この国は情報を元々持っていない、この国は情報はあるが内部プロセスが時間かかるなど)等をうまく調整し、最終的に幹部へのプレゼンテーションを実施してプロジェクトを貫徹させました。

Tuck1年間を通じて得たスキルを活用できる場面も多々ありました。

一点目はチームワーク。Walmartは大企業ながら組織間の壁があまりなく、水平連携がかなり頻繁に行われています。逆に言うと、水平連携をドライブできることがマネジメントとして必須のスキルといわれており、社内では人脈の広さや、連携力を有していることがインターン生を含めて評価の重要事項の一つになっていました。Tuckで数多くの授業によって提供されたグループワークを通じてのチームメンバー間の連携手法や、ソーシャルイベントでの人脈構築の経験は、インターン中も非常に役立ったと感じています。

二点目は経営層向けコミュニケーションスキル。最終的なプレゼンテーションでは、如何に2ヶ月で集めた11カ国の非常に複雑かつ詳細な情報を分かりやすく明確なストーリーに落としていくかという事が求められ、Managerial Communicationという授業 で訓練したプレゼンテーションの手法がかなり役立ちました。

三点目はプロジェクトマネジメントスキル。2ヶ月という期間で与えられたプロジェクトに対して明確な回答を持っている人は誰もおらず、どのように情報を取るか、どのような段取りでプロジェクトを終らせるかといった事は全て自分で決めていく必要があったり、状況次第ではプロジェクトスコープの変更を上司と交渉する必要も生じ、First Year Projectでチームリーダーとして経験したプロジェクトマネジメント力がかなり活かせたと感じています。その他全般として、エクセルやパワーポイント等のビジネスツールの利用頻度がかなり多かったのですが、Decision ScienceConsulting Project Managementなどの授業を通じて得たエクセルやパワーポイントのスキルがかなり役立ちました。

非常に大変でしたが、達成感を得たと同時に、日本人であってもWalmartというアメリカを象徴する世界最大の小売企業においても何とか戦えるんだなという自信を得ることができたのは非常に大きな収穫です。

WalmartでのTakeaway
自分の成長を感じる以外にも、世界有数のグローバル企業の本社で働けたことで貴重な学びが得られました。

一つ目はopen space technology (議題等を綿密に組まず、リラックスした環境で社員の団結力を促進する手法)の駆使。インターン初日にいきなりShareholder’s Meetingというキックオフイベントがあり、世界中の従業員が一斉にアーカンソーに集合し、トム・クルーズ、ヒュー・ジャックマン、エルトン・ジョン、ジェニファー・ハドソン等の超有名人をゲストに迎えて、一年の総決算の発表、翌年の戦略の発表、そしてライブパフォーマンスが行われました。また、毎月第一土曜日はSaturday Morning Meeting というイベントがあり、私が参加した回ではトムクルーズ、今アメリカで非常に人気があるといわれるDuck Dynastyのメンバー、そしてIBMCEOバージニア・ロメティー等が登場し、それぞれの立場から語られる人生観やリーダーシップ論等を非常にエンターテイメントに富んだ雰囲気の中で学ぶ機会を得ました。堅ぐるしさのないオープンな環境で従業員の参加を促し、連携力やビジネスノウハウを養成する仕組みを体感したのは初めてでした。

また、その反面、従業員を厳格に評価するプロセスや、業績連動型のボーナス制度等で結果はしっかり出すことを求められるシビアな部分も並存しており、Walmartはオープンと成果主義をうまく両立させた、日本では稀に見る組織体を構成することで、長期的成長を実現しているのだろうと感じました。

  
もう一つは従業員に根付いた企業理念。WalmartSam Waltonが立ち上げた世界最大の小売企業ですが、非常に驚いたことに、企業理念である「EDLP (Everyday Low Price)を実現することで世界中の人々の生活負担を軽くし、生活を豊かにする」は全く変わっていません。他企業だと、経営層が変わるタイミングで企業理念は変更されることが多々あり、従業員によっては企業理念をしっかり把握していないということもありますが、Walmartにおいては経営層からカート押しの従業員まで、このシンプルな企業理念は完全に浸透しており、誰もがこの理念に基づいて日々の仕事に専念しています。例えば、WalmartにはWalmart Cheers という掛け声(団体スポーツ等で円陣を組んで掛け声を言い合うようなもの)があり、開店のタイミングや会議の始め等で頻繁にWalmart Cheersがされています。この掛け声の中にも、上記企業理念がうまく溶け込んでおり、常にその理念を忘れないような工夫がされています。最初はWalmart Cheersをするのはかなり抵抗感があったのですが、実際自分のチームやMBAや学部生インターン生300人を相手にWalmart Cheersをリードした際に、言葉が皆の気持ちを繋いでいく感覚を覚えてからは、非常に良い仕組みだと感じるようになりました。企業理念の共通認識が上記でも触れた一体感の醸成を促し、会社を大きくしていく原動力となっているのだと感じています。

Tuckの一年目のコア科目を通じて、ファイナンス、アカウンティングなど、マネージャーとして知っておくべき各ビジネス領域における重要なコンセプトやツールを学ぶことに注力し、いままでの職場経験では得がたかった多様な知識を効率的かつ効果的に獲得することができましたが、インターンでの経験を通じて、真の意味で会社の事業の長期的成長をドライブしていくためには、さらに踏み込んだ能力の養成が必要だと感じています。例えば、従業員に企業文化を浸透させられるようなコミュニションスキルの獲得や、従業員自らその企業文化を纏って自ずと事業拡大を行っていけるような仕組みづくりの手法といったものが重要だと考えており、Tuckでの残り一年間でそのヒントとなりそうな授業やプロジェクトに積極的に関わっていこうと思います。

L.N.(T’14)