今回はTuckの事だけではなく、私の経験をもとに、スクール選び(受験校の選定又は合格後の進学先の選定)について大事だと感じた事について書きたいと思います。
全員に当てはまる事ではないと思いますので、参考程度に読んで頂き、ご自身が考える際のヒントになれば幸いです。また、ここでの大前提として、どのスクールが上か下かの問題よりも、どのスクールがより自分にFitするかに焦点を当てています。
- 可能であれば、志望度が強いスクールは必ずCampus Visitをする
- Visit中に、できるだけ多くの授業、イベントに参加し、日本人だけでなく、日本人以外の学生と交流する(日本人はどのスクールでもminority)
- 事前にホームページや学校説明会などを通じてスクールに対する基礎的な理解を深めた上で、実際にVisitしてみてどう感じるかを確かめる
- 学校のカルチャーや現地での生活スタイルが自分に合うかをしっかり見極める
しかし、上記の行動をとる前に、下記の2点について深く考えることが非常に大事だと思います。
- 自分がMBA留学をする目的、1-2年間の生活を通じて得たいモノは何か、を具体的に洗い出す
- 洗い出した複数の項目の中で、自分にとってどれが本当に大事かを深く考え、優先順位をつける
完璧なスクールなど存在しないので、自分の優先順位が分からなければ、スクールは選べないと思います。
Stanfordの有名なエッセーの問題、”What matters most to you, and why?” というのは実にいい問題です。
人によって考え方は違うと思いますが、これが早いうちからがっちり決まっている人もいれば、時の流れと経験によって変わっていく人もいるかと思います。
Stanfordを受けるか受けないかは別として、この質問に対する自分の答えは何かをぜひ一度深く考える事をお勧めします。
人によって考え方は違うと思いますが、これが早いうちからがっちり決まっている人もいれば、時の流れと経験によって変わっていく人もいるかと思います。
Stanfordを受けるか受けないかは別として、この質問に対する自分の答えは何かをぜひ一度深く考える事をお勧めします。
さらに続けて、そこで出た自分の答えをもとに、MBA留学をしたい理由、留学中に何を手に入れたいかについて、具体的かつ現実的に考えるといいと思います。
複数のコトが浮かんだら、どれか1つを選択しないといけなかったらどれを選ぶか、という視点で優先順位をつけていくと、より深い思考ができるはずです。
「選択するという事は何かを捨てる事」と言われたりする通り、「選ばなかったモノを捨てないといけないとしたら、何を選ぶ?」という風に考えないと、単にどれも保持できる前提で順番を付けるだけになってしまい、深い思考にならないと感じました。
「選択するという事は何かを捨てる事」と言われたりする通り、「選ばなかったモノを捨てないといけないとしたら、何を選ぶ?」という風に考えないと、単にどれも保持できる前提で順番を付けるだけになってしまい、深い思考にならないと感じました。
MBA受験は自分を見つめ直し、生き方を考え直すいい機会なので、精神的に大変な時期もあるかと思いますが、ぜひ前向きに取り組み、有効に活用されるとよいと思います。
参考までに私の事例(項目の変遷と絞込み)を書きます。
1. MBA留学の目的 / 留学中に得たいモノ / 留学先に求めるモノの洗い出し:Campus Visit前
学び
- 経営(General Management)の基礎力をつける
- 英語力の向上(理解力、議論、交渉、など)
- Entrepreneurship関係の授業の豊富さ
- 選択授業の豊富さ
課外活動
- 有名スピーカーの講演を聞く機会の豊富さ
- リーダーシップを発揮する機会の豊富さ(クラブ活動、カンファレンス、イベントの豊富さ)
人間関係
- 長期的に続く人間関係の構築(友達、教授、ビジネス上の付き合い含む)
ビジネス / 就職関係
- 箔をつける(有名MBAのブランド力)
- アラムナイネットワークへのアクセス
- Private Equity業界への接点の多さ
- Venture Capital / Start-upへの接点の多さ
2. MBA留学の目的 / 留学中に得たいモノ / 留学先に求めるモノの洗い出し:Campus
Visit後(⇒はvisitを通じて考えが変わるのに至った経緯の説明、青字は新しい項目)
学び
- 経営(General Management)の基礎力をつける
- 英語力の向上(理解力、議論、交渉、など)
- グループワークの機会の豊富さ
- ⇒ スクールによってグループワーク機会の量が全然違う事を知る。
Entrepreneurship関係の授業の豊富さ- ⇒ 自分が訪れたどのスクールも最低限のリソースと機会はあると判断。
選択授業の豊富さ- ⇒ 選択授業の量よりも質が重要だと気づく。在校生の話を聞き、事前のリサーチで気づかなかったプログラムを知ったり、2年間のカリキュラムの構成が巧みに練られているスクールと独立しているスクールがある事に気づく。同時に、選択授業は入札形式のスクールもあり、必ずしも受講できる訳ではないし、有名教授の授業が必ずしも学びが多い訳ではないと知り、受験生としての情報量の限界から、授業の細かい内容を見ることはスクール選びという大きな決断を動かすものではないと判断する。
課外活動
有名スピーカーの講演を聞く機会- ⇒ Visit中に多くの人と話す中で、これはスクール選びに影響する程の要素ではないと判断。
- リーダーシップを発揮する機会の豊富さ(クラブ活動、カンファレンス、イベントの豊富さ)
人間関係
- 長期的に続く人間関係の構築(友達、教授、ビジネス上の付き合い含む)
ビジネス / 就職関係
- 箔をつける(有名MBAのブランド力)⇒これが気になっていることは変わらないが、非日本人在校生や同じタイミングでvisitしていた非日本人受験生との会話を通じて、日本と海外でブランド力にギャップがある事を知る
- アラムナイネットワークへのアクセス
- Private Equity業界への接点の多さ
- Venture Capital / Start-upへの接点の多さ
環境
- スクール全体のカルチャー
- ⇒ 生徒同士の関係、日本人生徒とその他の生徒との関係、教授との距離、スタッフの人々の人間性などが、スクールによって思っていた以上に異なる事に驚くとともに、visitを通じてすごく居心地がいいスクールがある一方で、魅力を感じないスクールもあった事自体にも驚く。また、複数の授業に出席する中で、同じ科目を教えていても、スクールや教授によってアプローチの視点やコアメッセージが異なる印象を受ける。
- 生徒の日常生活のパターン
- ⇒ スクールによって生活パターンが結構異なる事に気づく。授業以上に、クラブ活動や各自が興味のある個別のプロジェクト(起業、インターン、カンファレンス、イベント、コンペティションなど)に時間を使っている場合もあれば、グループで課題に取り組んだりディスカッションを重ねたりする時間が多い場合もあるし、授業後は生徒がキャンパスの外に散る場合もあれば、多くの学生がキャンパス周辺で一緒に勉強しているか遊んでいる場合もある。どれがいいかではなく、どれが自分に合うかの問題。
- キャンパスやその周辺の生活環境
- ⇒ 2年間家族で現地で生活する際に、生活環境の影響は想像以上に大きいと気づく。家族同伴の場合は家族が楽しめる環境か、治安は大丈夫かは大事だし、長い間勉強やその他の自己研鑽に励む土地を気に入るかどうかは、思っていたより精神面に影響すると感じる。
- 卒業後5年~10年の間に何が本当にやりたいかに関する探究ができる環境
- ⇒エッセーに具体的なGoalを書くも、実際には卒業後に情熱を注ぎたいものが何かが完全には定まっていないと感じ、自分で色々情報を集めながら考える時間や、興味のある業界で働く人と合う時間が必要と判断。また、アメリカでネットワークを広げるには、スクールのキャリアオフィスや教授からのサポートも重要と判断。
実際には、上記に挙げた点の倍以上に気になっていた点があったのですが、Visitを通じて受験予定先のスクール間で大差がない事が明確になったり、比較検討するに値しない事に気づいたりしたので、検討項目をより絞る事ができました。
3. 優先順位の決定
最終的に進学先を決定する際に、判断に与える影響が高い項目を選び出し、優先順位をつけました。
- 卒業後5年~10年の間に何が本当にやりたいかに関する探究ができる環境
- スクール全体のカルチャー
- 長期的に続く人間関係の構築
- 生徒の日常生活のパターン
- グループワークの機会の豊富さ
- キャンパスやその周辺の生活環境
最終的にこの6つに絞りました。見ての通り、6項目中5項目はCampus Visitを通じて自分にとっての重要性の高さに気づいた項目です。
ブランド力、ステータス、日本におけるアラムナイネットワークの強さなどに関しては、就職活動や今後のビジネス界でのステータスなどを気にして挙げていたポイントでしたが、最終的には自分の能力と行動次第だと自分を納得させ、考えるのをやめました。これに関しては、頭でそう思っていても、実際に決断を下す際に手放すのがなかなか大変でしたが、今振り返ってみても、この事を除外して考えた事により、2年間で得たいモノは何かに関してよりフォーカスができた結果、良い決断ができたと思っています。
Y.I (T'14)
Y.I (T'14)