2014年8月4日月曜日

MBA留学って本当に意味あるの?!(独学とは何が違うか)

MBAで学ぶ内容は、独学で習得することは出来ないのか?

これは『義務教育ではない高校に通わないで独学で勉強することは出来ないのか?』、『4年制大学に通わないで独学で勉強することは出来ないのか?』と主張することに似ているでしょうか。確かに知識を身に付ける為だけであれば、高校や大学に通わずとも、独学で対応可能なのかもしれません。敢えて高校や大学に通うのは、『高校生活』や『大学生活』という『体験』を通じて、友達を見つけたり、部活で仲間と共にひとつのことを達成する喜びを知ったり、団体行動を通じて社会性を身に付けたり、○×大学卒という肩書きを就活で活かしたりと、『知識の習得』以外の要素が多分にあるからだと思います。ビジネススクールも学校なので同様のことが言えますが、もう少し細かく見ていきたいと思います。


1.知識ではなく『納得感』として身に付けるハードスキル
112です』ということは本を読んで理解することが出来るかもしれません。但し『時には遠回りすることも重要である』というようなことは本を読んだだけで『なるほど、そうですね』とすぐには納得出来ないことがあるかもしれません。議論を通して自分なりに納得して、その結果として身に付ものがあります。これは独学で習得することが出来ません。リーダーシップの授業で習うマインドセットの多くや、マーケティングの授業で習うフレームワークなどがこれに該当しますMBA一年目のtakeawayの冒頭でも触れた『体験』と『知識の詰め込み』の違いについて下に再掲させて戴きます)。

-----quote-----

MBAの授業内外で毎日同級生と繰り広げられる議論、その中で相手を自分の言葉で納得させたり、或いは逆に自分が論破されてしまったり。それによって自分の考えが変わったり、或いはやはり自分の考えが正しかったのだと自信を持つことが出来たり。自分とは全く異なる人生をこれまで歩んできている同級生による言葉、その言葉の奥にある考え方、その考え方のもっと奥にある生き方。そういったものに触れながら自分が刺激を受け、又同級生に対しては自分が刺激を与えられる存在となるよう努める。(中略)単なる知識の詰め込みとは異なるMBAというものの深みがあります。

-----unquote-----
 

2.刺激を受けることで学ぶソフトスキル
私がTuckに入学して最初(秋学期)のstudy groupは次のような構成でした。
 弁護士/男性(アメリカ人)
 医者/男性(アメリカ人)
 コンサルタント/男性(アメリカ人)
 投資銀行員/女性(アメリカ人)
 会計士/女性(イギリス人)
 私/男性(日本人)

この6人で一緒になって毎日、次から次へと課題を解いていかないといけない時、自分はどのようにチーム内で付加価値提供が出来るのか?チームワークについて色々と考えさせられました。  

或いは”Managerial Communication”というプレゼン方法について学習する必修授業があるのですが、ここでは毎週のようにプレゼンをさせられるのと同時に、毎週のようにクラスメートのプレゼンを見ることが出来ます。クラスメートのプレゼンの良いところや悪いところを見ることで学べることは多いです。

以上のように、チームワークやプレゼンのようなソフトスキルは自分一人で育てていくことは出来ません。周りに多くの人が居て、その中で自分が刺激を貰うことが必須条件になります。


3.就活の為の基盤
ビジネススクールの学生はほとんどが転職をする為に来ています。就活を考えた時、ビジネススクールに所属していることで得られるメリットが大きいです。

1)情報、サポート
学校の就職課は企業側と連携しているので、大量の情報を持っています。専属スタッフも多数居ます。自分でインターネットで情報収集するのも良いのですが、学校の専門スタッフに相談しながら就活を進めることで、自分の目指すキャリアに沿った形での準備が出来ます。Tuckの場合、圧倒的な就職率を実現していることもあり、就職課も高い評価を受けているようです。
http://www.tuck.dartmouth.edu/careers/employment-statistics

これはTuck就職課コンサル担当Stevenの本です。
http://www.amazon.com/How-To-Get-Job-Consulting/dp/1484150635

2)ブランド
これは分かり易いですね。各企業とも『MBA採用』という枠を予め設けてあるので、そこに乗っかることが出来るだけでかなり有利になります。やはりMBAの肩書きがあるに越したことはありません。

3Logistics
トップスクールにはほとんどの企業の採用担当が直接キャンパス(学校)まで来て採用活動を行います。説明会もそうですが、一次面接なども学校のstudy roomを使って行われます。二次面接、最終面接と進んでいくに連れて、直接本社まで足を運ぶ必要性も出てきますが、Tuck生活で最も忙しいと言われる一年生の冬学期、勉強に就活に追われ異常なスケジュールをこなす中で、学校のキャンパスで採用面接を受けられることは本当に物理的に助かります。

ちなみにインターンという投稿で少し触れましたが、企業派遣でMBA留学している人も、(派遣元の企業に認められるのであれば)夏季インターンの為だけにでもTuckで就活をしてアメリカで働く経験を積むことをお薦めします。

++++

話があちこちいってしまいましたが、独学だけでは得られないものがMBA2年間の生活には多くあります私の学年の入学式でDean Danosは、『あなたがこの2年間で得るものは大きく4つある。Knowledgeintegrityleadershipfriendship』と述べていました。間違いなく言えることは、全生徒がlife changing experienceを求めていることだと思います。

よしかん(T’15