2020年2月6日木曜日

ハードスキルの面白さ

冬学期が始まり1か月が経ちました。1年生は冬学期からElective Courseを履修できるのですが、私はTaxes and business strategiesという授業を履修しており、毎週水曜日と木曜日の8:30~10:00が授業です。

この授業、学生からのEvaluation(5段階評価)はイマイチなのですが、理由は、宿題が多すぎるからだと思います(笑)。毎回数十ページの難解なReading assignmentと、2ページ相当のアウトプット提出を求められます。昨日のReadingはその中でも特に難解で、教室に行くと、「今日の宿題は大変だったと思うから、ドーナッツを用意しておいたわよ(笑)」と教授。ちなみに来週の水曜日のアウトプットの方は、これまでで一番難しいそうです。プリンでもいただけるのでしょうか。

さて、実際の授業(宿題も含め)ですが、率直にめちゃめちゃ面白いです。「節税の授業でしょ?倫理的にどうなの?」と誤解されるかもしれませんが、それはちょっと違って、「税金で足元をすくわれないようにしましょう」です。たとえば、こんな例がありました。


『創業赤字で将来に繰り越せる欠損金を持つ上場企業X社があるとして、最近Aさん~Jさんという10人の個人投資家が、それぞれ6%ずつX社に投資しました・・・。』


「それで次はどうなるの?」という感じですが、もう既にこれが大問題なのです。10人の投資行動のせいで、繰越欠損金の価値が暴落、つまり過去の欠損を将来の利益と相殺できる余地が、極端に小さくなるのです。これは、Ownership changeといって、株主構成が50%以上(10人×6%)変わったんだから、もう違う会社でしょ?だから相殺は認めません!ということのようです。

怖いですよね。この他にも、これまで10回の授業の中で、ストックオプション等の報酬はもちろん、個人事業主・LLP・株式会社といった経営体毎の課税上の取り扱いの違い、三角合併や自己株式取得と、幅広いテーマを学んでいます。こういうテーマって、Taxを抜きにしてもよく理解していなかったことですが、この授業をきっかけにTaxという視点を通じて経営全体を学べている感じがして本当に楽しいです。

ちなみに担当教授はLeslie Robinson。今初めて知りましたが、She is among Poets and Quants 40 best business school professors under the age of 40だそうです。Tuckってコミュニティとリーダーシップのイメージが強くて、アカデミックはどうなの?という印象があるかもしれません(?)が、学べることはめちゃめちゃ多いです。

就職活動に追われながら履修することはお勧めしませんが、就活のオフシーズンや社費の方には是非受けてほしい授業です。