2020年10月16日金曜日

Fall Aタームを終えて

こんにちは。T22のYutaです。

今回はFallA Termの内容について紹介したいと思います。 

Tuckはゼネラルマネジメントに重きを置くスクールであり、1年目はみっちりコア科目として経営戦略・経済学・統計・会計等々のビジネスマンとして知っておくべき知識を広く学びます。

そうはいってもどこのスクールもだいたいコア科目ってあるじゃん・・・と思っていたのですが、コアに対する気合いの入れ方が違うというのが恐らくTuckの特徴なのかなと感じています。(他のスクールとの比較はできませんので、あくまで主観ですが。)

コア科目を教えている教授陣の陣容も厚いですし、授業外でのフォローアップの時間や、課題の多さ、コア科目同士の関連の強調具合等々、「ビジネスリーダーたるもの知っておくべきことは確り学んでおいてくれ」というメッセージが伝わってきます。

また、コロナ禍にてオンラインでの授業となっていましたが(ちなみにFall B Termからはハイブリッドに移行)、そういった制限の中どうやってクオリティを担保するかにも相当労力を払っている様子でした。それはそれでまた書きます。

さて、Fall Aの内容ですが、ミクロ経済学・統計・会計・人材管理・コミュニケーションの5つの科目を約1ヶ月半で修得するものとなりました。尚、各科目のExemptionも認められており、会計科目については私は少しバックグラウンドがあったので、Exemptionしました。このExemptionにおけるハードルも相応に高く、ちょっと勉強したことがある程度ではExemtionは認められません。そうした辺りにもTuckがコア科目を重視している様子が覗えます。では、以下詳細の紹介です。

1.Manegirial Economics

Fort教授(https://www.tuck.dartmouth.edu/faculty/faculty-directory/teresa-fort)によるミクロ経済学の授業。完全競争市場における短期均衡・長期均衡という基礎的事項に始まり、完全競争ではない市場において企業がどのように行動するのかを主にはプライシング手法を通じて学んでいきます。授業はケースが多く、アルミニウム市場、海運市場や漁師等々の様々な立場に立って、市場を経済学の観点から分析し、どのように将来を見通し、行動を起こしていくのかを考えていくことができました。個人的に、経済学って理論としては面白いけど、実際のビジネスにどうやって使うんだよ・・・と思っていたので、ケースを通じて実際のビジネスの場での応用力を身につけられたことは良かったかと思います。また、教授の教え方は、市場をどのように分析していくかという思考のフレームワークに重点を置いていたので、産業構造の捉え方を身につける上でも面白い授業でした。月曜朝一にも関わらず、教授の熱量が凄かった・・・

2.Analytics I

そうなんです。Iなんです。Fall BにはAnalytics IIが待ち構えており、統計という分野がコア科目においても以下に重視されているかが分かります。Dicision Treeの作り方に始まり、それに基づいたリスク分析の手法・意思決定の仕方を学び、後半はSPSSというアプリケーションを用いて回帰分析の手法について学んでいきます。経済学もですが授業の進むスピードが速く、毎回の課題をこなしていくのに必死でしたが、一応、回帰分析の仕方・読み解き方・各分析手法における問題点等を学ぶことができました。すごく沢山のことを学んだ気がしますが、まだこれで「I」なの?って感じです。統計の授業もケースが多く、ビジネスシーンからDecision Treeを作り上げていくことは、実際のビジネスの場で意思決定する際の頭の整理をする力を養うことに繋がったかなと感じます。

3.Managin People

人材管理(モチベーション、行動科学、倫理、ネゴシエーション等)について学びました。Feiler教授(https://www.tuck.dartmouth.edu/faculty/faculty-directory/daniel-c-feiler)は40歳以下の教授Top40にも選ばれたことのある教授で、授業へのエンゲージメントが半端ない教授でした。人材管理を教えているだけあり、生徒のモチベーション高め方や自分自身の魅せ方等、相当考えているイメージです。毎回、実験的に何らかのアクティビティに取り組んだ上で、そこに潜むバイアスを示しながら、それらにどのように向き合っていくかを学んでいきます。砂漠でのサバイバルについて、異様に良いスコアを叩き出した際に、教授から理由を問われ、漫画で読んだ知識をフル活用したと回答したところ、クラスメートの間で漫画好きと浸透してしまいました。海外でも日本の漫画は有名で、それをきっかけに漫画好きのアメリカ人(授業のズームの背景にはいつもハイキュー!!のポスターが・・・)とも食事にいけたので良かったです。話がそれましたが、この毎回のアクティビティで見事にみんなバイアスにハマっていくのが面白かったです。どんなに優れた人でも必ずバイアスには囚われるのだということを知った上で、リーダーを目指していくことが大切だと思います。

4.Managing Communication

所謂スピーチやプレゼンの授業。スピーチの質を高めるための理論や技法、効果的な資料の作り方を学ぶことが出来、ある意味一番実践で使える授業だったかもしれません。コンサルタントをしておられる方には当たり前のことかも知れませんが、Think-cell(資料作成サポートのアドイン?)最高すぎだろ・・・と感じました。Tuckは色んなアドイン機能を提供してくれるので、自分はさておき、PCのスペックばかりがどんどん強化されていきます。教授は元コンサルタントの方も多く、銀行勤務時代とは違った資料の作り方をマスター出来たほか、毎回の授業でスピーチやプレゼンをし、それを録画したものを自分で見て感想を提出することになるので、なかなか心を削られました。クラス全員からフィードバックも貰えるので、自分自身を改めて客観的に見る良い機会となりました。


ちなみに、会計学については僕はExemptionしましたが、周囲にはFall Aで一番良かったという人が沢山います。このExemptionの是非についてもそのうち書こうと思います。

各科目の学びの多さはそれぞれのバックグラウンドにも寄るところですが、改めて何かを体系的に学ぶことはとても良い機会となりましたし、コールドコールのドキドキに耐えたり、テストの点に一喜一憂してみたりと、久々の学生気分も満喫することができました。

Fall BはStrategy、Capital Market、Analytics II、Marketingです。Marketingの事前のReading課題が99ページあるのを見ると先が思いやられますが、頑張ります。

Tuckは、リクルーティングの繁忙期が1月頃に来ることを踏まえて、秋タームに必修授業(かつリクルーティングに役立ちそうな科目)を寄せており、冬は比較的フレキシブルとなっていますので、アカデミックとリクルーティングのバランスも取りやすくなっています。リクルーティングにあまり力を入れない人は、冬に選択科目をがっつりとって勉強まみれにもなれますので、ご心配なく。

それではまた。

Yuta (Class of 2022)