私は国際関係(国際経済&エネルギー/資源/環境専攻)とMBAでDual Degreeをしています。学校でいうと、前者はJohns Hopkins 、後者はDartmouthと二つの学校をまたぐ形になります。
3年間で二つの学位を取得するというプログラムですが、単位の互換が可能なので各学期の負担は一般のMBA生と同じです。今年の一年生ではTuck-SAIS (Johns Hopkins School of Advanced International
Studies)のDual Degree生は私を含め三人、他にもTuckということではHKS
(Harvard Kennedy School)やDartmouth のMedical
SchoolとのDual をしている人なんかもいます。
バイオビジネスだったり、開発とビジネスだったり、エネルギーファイナンスだったり・・・それぞれに興味分野は違いますが、複合的な分野に興味を持っているのは同じということもあり、刺激になります。
バイオビジネスだったり、開発とビジネスだったり、エネルギーファイナンスだったり・・・それぞれに興味分野は違いますが、複合的な分野に興味を持っているのは同じということもあり、刺激になります。
かなり個人的な投稿になりますが、Dual
Degreeという選択肢を考えられる方が増えることを願いつつ(ちなみにMBA入学後に他校に出願してDual
Degreeにすることも可能です)、なぜ私がDual Degreeをするに至ったかを書いてみようと思います。
私は中学2年生の家族旅行でタイに行くまで全く海外に縁のない生活をしていたのですが、なぜか幼少時より違う文化や海外に興味を持っていました。
また、生まれた国や環境のためにチャンスが与えられない人がいるということ、特に途上国の貧困問題に問題意識を持ち、高校生の時には国際公務員になろう、と強く心に決めていました。どのみち国際公務員になるなら欧米の大学院で専門学位の取得が必要だということ、自分の興味がまだ絞りきれていなかったことから、大学では「教養学部」といういかにも幅広な学部で、「国際関係論」という、それが学問足りうるのかが議論されているようなあいまいな領域を学びました。
将来的に「開発」を学ぶのであれば、いわゆる「途上国」に長期で滞在しないとダメだろう、「開発」の対象者と見られている人々が「発展」の当事者としてどういう活動をしているのか見たい、という思い(込み)が高校時代よりあったことから、大学3年時に一年フィリピンに滞在しましたが、それが、結果的に大きなターニングポイントとなりました。
また、生まれた国や環境のためにチャンスが与えられない人がいるということ、特に途上国の貧困問題に問題意識を持ち、高校生の時には国際公務員になろう、と強く心に決めていました。どのみち国際公務員になるなら欧米の大学院で専門学位の取得が必要だということ、自分の興味がまだ絞りきれていなかったことから、大学では「教養学部」といういかにも幅広な学部で、「国際関係論」という、それが学問足りうるのかが議論されているようなあいまいな領域を学びました。
将来的に「開発」を学ぶのであれば、いわゆる「途上国」に長期で滞在しないとダメだろう、「開発」の対象者と見られている人々が「発展」の当事者としてどういう活動をしているのか見たい、という思い(込み)が高校時代よりあったことから、大学3年時に一年フィリピンに滞在しましたが、それが、結果的に大きなターニングポイントとなりました。
フィリピンではフィリピン人の家に住み、インターンをしていたフィリピンのローカルNGOの活動を見てまわり、授業に少しだけ出て、とても充実していました。当時の私の将来像はいまだに国際公務員やNGO一辺倒で、ビジネスには全く興味を持っていませんでしたし、CSRやSRI、Social Fundという言葉にも胡散臭さを感じていたのが事実です。しかし、お世話になっていたNGOの活動で、いわゆる貧困層と呼ばれる人たちとたとえ数週間でも寝食を共にする中で、自分の労働に誇りを持てる形で飯の種を稼ぐ、ということの重要さを感じるようになりました。また、様々な組織が活動している一方で、それぞれが同じ場所でバラバラに活動していたり、あるいは「協力」しているという場合でも、それが上手に噛み合ってはいないように感じ、NGOや公的な援助機関と営利企業、そして地元住民がそれぞれの利益を追求しながら、どのように協業していくか、ということを今後のキャリアで考えていきたいな、と思うようになりました。
結果として、まずはビジネス全体を見られるような仕事をし、営利活動というものを理解してから、大学院留学をしよう、と決め、尊敬していた方の薦めもあって、コンサルティング会社に職を得ることになりました。必ずしも国際公務員になることが自分の問題意識に対して最善と思えるアプローチではないのかも、と感じたこともあり、コンサルで働きながら将来、具体的にどうするのかも考えよう、という安易な気持ちもありました。
コンサルで数年間過ごすうちに、同年代の友人たちが次々と留学していくようになりました。一度は欧米に留学するというのは私の永年の夢でもあり、時期的にもよいように思えたので、よし、私もとりあえず留学だ、と、まずは海外に専門学位を取りに行く、というとても大雑把なところから、留学への道が始まったのでした。
では、何を学ぶか。
留学を決めたときには、ビジネスを通じて自分の問題意識に応えていきたいな、という方向に固まっていました。
コンサルティング会社には、MBAホルダーがウジャウジャいますし、夏にはMBAのインターンもやってきます。ですので、MBAというのはとても想像しやすい世界ではありましたし、逆に変な憧れもなかったように思います。ただ、自分が興味を持っていたBase of PyramidやInclusive Businessと呼ばれる分野が、世界のトップビジネス(でキャリアを積みたいと考えている人たち)でどのように扱われているのかな、ということは気になっていましたし、ある程度の期間は腰を据えて興味のあることを学びたい、という気持ちもありました。
コンサルティング会社には、MBAホルダーがウジャウジャいますし、夏にはMBAのインターンもやってきます。ですので、MBAというのはとても想像しやすい世界ではありましたし、逆に変な憧れもなかったように思います。ただ、自分が興味を持っていたBase of PyramidやInclusive Businessと呼ばれる分野が、世界のトップビジネス(でキャリアを積みたいと考えている人たち)でどのように扱われているのかな、ということは気になっていましたし、ある程度の期間は腰を据えて興味のあることを学びたい、という気持ちもありました。
一方で、高校の頃よりずっと持っていたポリシースクールへの憧れも消えませんでした。MBAで学べるハードスキルにはそこまでの期待をしていませんでしたし、むしろ、これまで触れる機会のなかった政策面について学んだ方がいいのでは、という思いがありました。学校のウェブサイトでカリキュラムや授業の内容を見ていても、より途上国開発に直結した授業など、正直、ビジネススクールよりもポリシースクールに心が躍りました。
自分の興味分野は、どうやって異なる分野で働く人たちがBase
of Pyramidビジネスで協業できるか、ということにあり、ビジネススクールでもポリシースクールでも、ある程度のことは学べそうでした。逆に両校のアプローチや集まる生徒の違いを見る、ということにこそ意味がありそうだ、と考えるようになりました。
そこで出した結論は、とりあえずDual
Degreeを狙ってみる、ということでした。で、幸いにしてDual Degreeできそうな組み合わせでいくつかの学校に受かることができ、今に至ります。
もちろん、悩みに悩んだのも事実です。これまでも教養学部‐コンサルティング会社とやってきたモラトリアムを、Dual
Degreeというあいまいなプログラムによって、また延長してるのかな、という気持ちもありましたし、何より、子どももいて保育費用が余分にかかる中、三年間も学生に戻ることの不安もありました。将来、高給取りになれる気もせず、必要になるであろう学費のローン返済にも恐怖を感じました。
今、SAISでの一年を終え、Tuckでの一学期を終えた現在、Dual Degreeをしていることに対する後悔は全くありません。お金と時間(プラス異なる学校間でのDualの場合は引越しの手間)がかかるのは事実ですが、それ以上の貴重な経験となっています。それは、必ずしも、給与や、会社のポストというものではないかもしれません。(MBAだけでいっても経済的な「費用対効果」という意味では、年々、コストは上がりリターンは下がっていると思います。)しかし、自分がそこで何を得たいか、何をしたいか、ということを考えた上で、Dual
Degreeという選択肢がベストと思えるなら、一度の人生、自分の直感に従ってみてもいいのかな、と思います。結果は保証できかねますが・・・。
少し長くなりましたので、なぜTuckを選んだのか(受験校として、そして進学先として)、またSAISとTuckの違いなどについてはまた別の機会に書きたいと思います。
T.G (T'14)