私はビジネススクールに来て、2つのものを見つけることが出来ました。①自分の目指すべきリーダーシップスタイル、②自分の今後のキャリアに対するビジョン。もともと①も②も中途半端な形では持っていたのですが、それを昇華させることが出来ました。また①も②も今後、環境の変化と共に変わっていくこともあるかもしれませんが、「今の時点での結論」という意味で、かなりはっきりとした形で存在しています。そして我々はゴールがはっきりすると(それもただのゴールではなく高いところに設定された目標ですから)、今まで以上に意識を高く持つことが出来ます。MBAに来て①と②を見つけました。その結果、これまでより更に意識を高く持つことが出来るようになりました。
ビジネススクールで過ごす2年間を密度の濃いものにするか、或いは薄いものにするのかは自分次第です。もしも濃いものにしたい、即ちmaximizeしたいのであれば、その方法はひとつしかないと思います。それは同級生とのコミュニケーションをmaximizeすることです。それはコミュニケーションの量であり、議論している内容の深さであります。そしてそれを実現する為には、物理的に同級生と過ごす時間を増やす他ありません。一緒に食事に行き、一緒に飲み会に行き、一緒に旅行をして、一緒に学校のイベントに参加して、一緒にリンゴ狩りをして、一緒のロックバンドのコンサートに行って、一緒に運動をして・・・。何でも良いので、同級生と一緒に時間を過ごす機会を逸しないことです。
もちろんそれが簡単でないことも分かっています。国籍が違う相手だから、(家族と共にアメリカに留学している人の場合は)家族と過ごす時間も大切だから、(学校によっては)環境的に同級生と深い関係になる風習がないから、あとは「忙しい」(と自分で自分に対して言い訳をしてしまっている)から。でも留学して、同級生と共に時間を過ごすこと以上に大切で「忙しい」こととは何でしょうか?また何故同級生とのコミュニケーションがそこまで大切なのでしょうか?その理由は、先に述べたリーダーシップスタイルやキャリアビジョンにしても、或いは教室の中で教わる崇高な理論やフレームワークにしても、本で読んだり教授の話を聞いて「はい分かりました」と理解出来るものではないからです。世界中から集まった、同年代の、バックグランドの異なる仲間たちと、繰り返し議論をすることを通じて、初めて体得出来るものだからです。
人を育てるのは「人」しか居ません。ビジネススクールは飽く迄もひとつの「場」であり、ここに居るだけで何かを得られる訳ではありません。でも、「この2年間という時間をmaximizeさせよう」という意識さえ持っていれば、信じられないくらい遠くまで自分のことを運んでくれます。だからこそ、ビジネススクール卒業生たちはMBAのことを「人生で最も充実した2年間」と言うのでしょう。
Jane(私の後方)の誕生会