2012年11月18日日曜日

First Year Project: Y.I (T’14) - vol.1


別の投稿で紹介したFirst Year Project (FYP)に関して、私個人の取り組み状況を書かせて頂きます。
現時点ではまだ本格的な準備をスタートするには少し早く、最終的にどのプロジェクトをやるか決めるのは年明けなので、まだ広めに網を張っている状況です。私が現在関与しているプロジェクトは2つあるのですが、今日はその内の片方を紹介させて頂きます。
概要:農業系スタートアップ(E-ship

  • Tuckの卒業生が現在副業として取り組んでいるビジネス
  • どういう訳か、知り合いの大手コンサルのパートナーなどの人から資金を調達し、テキサス州にある農地を購入
  • 現在の主力作物はナッツ(一応現段階では特定名は伏せさせて頂きます)という、一見なんともマニアックな商品
  • 本人いわく、運がいい事に、彼の農地で育つナッツはアメリカでプレミアムがつくことが分かったらしく、今後の販売戦略を検討中
  • 中国にも単身乗り込んでナッツを売りに行ったら、中国人にはそのナッツの形状(皮をとった後)が脳に似ていることからサイズが大きい方が好まれ、現地で流通しているものより一回り大きい彼のナッツにプレミアムがつくことが判明する
  • まだ余剰資金と未使用の農地があるので、今後どういう新規ビジネスを手掛けるべきかを検討するのと、このナッツ事業を今後どう発展させていくべきか、というのが現在予定しているFYPの内容
私は、これまで会ってきたEntrepreneurを、自分の中で勝手に大きく2つのタイプに分けています。1つは、特定分野(技術、事業など)や特定の問題を解決する事に対してもの凄く情熱があるタイプ。もう1つは秀でたビジネスセンス(くだけた表現をすると「お金儲けのセンス」)を持っていて、その仕組みを作ることにもの凄く情熱があるタイプ。個人的には彼は後者に該当すると思っているのですが、彼の説明や数字に裏付けられた考え方が極めて鋭く、かつ彼のメインの仕事は私のTuck前と同じ業界ということで、彼の考え方やビジネスへのアプローチに関して新鮮な部分と同時に共感できる部分も多く、大変興味を持ちました。
1ヶ月前に簡単な事業紹介のセッションに出席した後で、follow-upメールとして「興味があるので自分でもちょっと調べてみるよー」みたいなコメントをうっかり書いてしまったら、その後、「どういうリサーチができたのか大変興味があるので、それについて今度話せる時間を教えてくれ!」という予想外の返信がきてしまったので、今週末は学校にある豊富なリソースを用いてナッツに関して調査をする予定です。彼本人にもビジネスにも興味があるからいいのですが、既に授業や授業外の活動で忙しい中で、自ら自分の首を絞めてしまった感は否めないです・・・苦笑。でも逆にいい機会だと思って楽しんでナッツマニアになろうと思います。
本物の商品。ちょっと日が経って変色し始めてるけど・・・
Y.I (T'14)

What’s First Year Project?


今日はTuck1年目のCurriculumの集大成として位置づけられている、First Year Project (FYP) について紹介します。ここではFYPの概要を説明し、今後は各在校生が各々の活動状況を定期的に書いていき、実際にどういう風にプロセスが進んでいくかをお伝えしていければと考えています。
FYPとは?

  • Tuck1年目のSpring Term3月下旬~5月下旬)で授業の一環として行われるプロジェクトベースのExperiential Learning
  • 学生主導で5人で構成されるチームを結成し、各チームに教授が1人アドバイザーとしてつく
  • 授業の一環として各チームが個別のプロジェクトに取り組み、単位ももらえる
  • プロジェクトは大きく3つのタイプに別れる

  1. 企業のConsultingプロジェクト
  2.  生徒自らが発案したビジネスを形にしていき、起業までの土台をつくるEntrepreneurship(以下、E-ship)プロジェクト
  3.  外部のStart-up(ベンチャー企業)のビジネス拡大を手伝うプロジェクト(これは企業の特定の課題に対応するコンサルよりも、Start-up企業のビジネス全体の発展に関わるプロジェクトのため、E-shipのカテゴリーに分類される)
  • プロジェクトの発掘ルートも複数のパターンがある
  1. 学校のスタッフが企業にアプローチしてConsultingプロジェクトを創出
  2. 過去にFYPConsultingプロジェクトを提供してくれたクライアントがリピーターとしてプロジェクトをオファー
  3.  学生自ら企業に提案をしてConsulting又はE-shipプロジェクトを創出
  4.  学生が自分のビジネスプランを持ち込む(E-ship)
FYPの目的

  •  Rigorousという評判のCoreで養われたGeneral Managementに関する学びを、現実世界における本物の仕事(プロジェクト)で活かす経験をすることで、単なる机上の学びではなく、卒業後に社会の問題解決にきちんと応用できるようにする事
  • どのような業界においても重要なProject ManagementExecutionのスキルを身につける事
  • TeamworkLeadershipのスキルをさらに伸ばす事(Fall TermからWinter Termにかけて3部構成のTeamworkLeadershipに関する授業もCoreで行われている)
学生の視点からは、上記以外に、自らが興味のあるキャリアパスへの礎を築く事に目的をおいています。

  • 興味がある業界のプロジェクトを手掛けることで、業界知識を養う
  • これまでの仕事と違う業界でのキャリアを狙っている場合は、レジュメ上でターゲットの業界における経験を記載でき、興味の強さと、一定の知識・経験がある事をアピールできる
  • 起業に興味がある学生は、学校のリソースを使って単位を取りながら自分のアイデアをビジネス化できる
  • 自分が持ち合わせてないスキルを身につけたい学生は、それに関連したプロジェクトを選ぶ事で特定のスキルを身につける事ができる(例:ウェブデザインに興味があるけどやった事がない人は、それに関連したプロジェクトを選ぶ事でウェブデザインのスキルを学ぶと同時に、実際の企業に対して成果物も提出するので実践的な学習経験を得られる)
ちなみにTuckFYPへの準備として、Winter Term(1月~3月)にコンサルとEntrepreneurshipElective授業も用意しており、人気授業の1つとなっています。
過去のFYPの例
これに関しては次回紹介させて頂きます。地元で有名なビールをつくっているLong Trailと呼ばれる会社のコンサルプロジェクトや、実際に起業に向けて2年目に入ってからも継続してビジネスプランを磨き上げているEntrepreneurshipプロジェクトについて書きます。

冬のBreweryの様子
Long Trail の商品ラインアップ
学校のサイト上での紹介はこちら http://www.tuck.dartmouth.edu/mba/required-curriculum/first-year-project/
在校生によるオフィシャルブログでの記事はこちら http://tuckschool.blogspot.com/2011/09/first-year-project.html
Y.I (T'14)

Trip to NY (PE Conference & Networking) - Part 1


先週ニューヨークで行われたYale MBA主催のPrivate Equity Conferencehttp://pe.som.yale.edu/2012/index.html)に出席するついでに4日間ニューヨークに滞在してきたので、その時の様子を書きたいと思います。
最初にこのConferenceに参加した背景を説明させて頂きます。私は日本で大学卒業後投資銀行業務1年、その後同じ会社で6年不動産投資業務(Private Equity Real Estate)に携わってきており、不動産関連資産(オフィスビルや住居、商業施設などの建物、ホテル事業(建物と運営会社)、上場会社や未上場会社株式、不良債権など)への投資を担当していました。Tuck卒業後はまだいくつかキャリアの道を考えていますが、その中の一つとして不動産にしばられない企業投資を行うPrivate Equityに興味があります。大きなくくりで言えばファンド業界に属していたので、日本での業界状況については比較的肌感覚があるものの、アメリカでは業界の規模も構造も日本とは異なるので、最近の潮流を理解する事を主目的にConferenceに参加する事にしました。
Conferenceは金曜の朝一からスタートするため、木曜の授業が終わってから家に帰り、ハノーバーからバスでニューヨークへ向かいました。ハノーバーは意外に交通の便が良く、学校のすぐ近くからボストンとニューヨークに直接向かうバスが毎日出てます。ボストン市内までの所要時間は2時間半、ニューヨークのグランドセントラルまでの所要時間は5時間となっており、日本に住んでいた時は長いと感じましたが、アメリカではこの位の移動時間は普通のようです。ちなみにボストンからニューヨークへ向かう場合も車だと45時間かかるため、あまり大差がありません。
ちなみにボストン=ハノーバー間の移動でも頻繁にお世話になっているDartmouth Coachと呼ばれるバスはこんな感じです。席が広めなのできっと想像よりも快適だと思います。
 


木曜の20時頃にニューヨークへ着き、ホテルへチェックイン後、同じくPE Conferenceに出席するためにニューヨークにきた日本人同級生と、久しく食べていなかった焼肉を食べるべく牛角に向かいました。牛角に着いたのは9時過ぎでしたが、20分位待ってようやく席へ案内されました。日本人客もそこそこいましたが、ニューヨーカーも結構多く、日本酒をぐびぐび飲みながら牛角の飯を楽しんでいる外人を見て何だか不思議な気持ちと嬉しい気持ちがこみ上げました。アメリカでは牛角は日本のような低価格チェーンという位置づけではない様子で、何を頼んでもクオリティが高くおいしかったです。外食としての日本食に飢えていた僕らと嫁達はメニューに興奮しながらどんどん料理を頼み、牛角に感動しながら夜がふけていきました。

翌日のConferenceでは、Keynote Speaker2人と、複数のテーマ毎に35人位のパネルがモデレーターの進行のもとで議論を交わすといった内容でした。私はファンド業界にいたこともあって、業界に関するマクロ的な理解に関しては、ある程度想定していたものを確認できたといった感じでしたが、個別の詳細なテーマに関する議論からは興味深い情報や気づきを得られました。
Operational Improvementという名のセッションでのKey Pointsは、

  • Financial Engineering(簡単に言うと財務レバレッジをきかせる事で投資リターンを上げる事)やマクロ要因(景気、株式市場の上昇)によるリターンの向上が難しくなっており、同時に競争激化によって投資価格水準が上昇しているため、ここ数年は以前よりも会社の収益力を高めることに、より焦点が当たっている
  • 投資先の会社において、経営改善による収益力の向上を実現できる力がPE Firmに求められているため、「本物」と「エセ」の違いが鮮明になるとともに、「エセ」PE Firmは今後ファンドレイジング(新規ファンド組成のための資金調達)がより難しくなり、市場からの退出を迫られる可能性が高い
  • PE Firmがファンドレイジングをする際に、投資家(ファンドの投資家、業界用語でいうLP)が最近よく聞く質問としては、過去の成功案件において、どの点においてPE Firmが付加価値を生み出したか?つまり、PE Firmが高いリターンを出せたのは、仕込が良かったからか(安く買えた)、レバレッジなのか、投資期間中の経営改善によるものなのか、それとも売却のタイミングが良かったのか、などを明確にしたがる
  • 最近では投資案件を執行するのが難しくなっているため、投資戦略に一貫性のない企業もいるが、LPとしては新規にお金を入れるとしたら投資戦略の一貫性を重視する
  • PE Firmで働く側の人間としての注意点としては、Financial(数字面に焦点をあてた分析)とOperational(実務的な経営面、現場感)の両方の視点を持つことが重要。単に数字面でシナリオを分析するだけでは、実際にどう現場で実行するのかという視点に欠けるが、一方で現場での戦術に焦点が当たり過ぎて、どこでどのように収益力を高めるのか、何をどの程度達成したら会社全体としての価値が高まるのか、という肝心な部分を見逃してしまう
1時間のセッションの中で、パネルの方々の具体的な成功事例や実際の投資家との最近の会話などを交えなが各自の主張を聞くことができ、密度の濃いセッションでした。
昼のKeynoteスピーカーはヘルスケアに強みを持っているPE FirmManaging Directorの講演でした。数字やアニメを使いながら淡々としている、でもモノトーンではない、知的なプレゼンでした。PE業界は成熟産業となっており、市場のピークを過ぎた現在においても、会社としての明確な強みを持ち、適切な戦場で戦えば引き続き成功し続けるというメッセージが強かったです。ヘルスケア業界に関しては、最近のアメリカでの医療保険制度改革は根本的な問題を解決しないという事を非常に分かりやすく説明し、その問題解決のために彼の会社が投資先の会社を通じてどのような事を行っているかについての話は大変興味深かったです。高齢化社会が進む日本でも、国が医療関係に費やしている税金の増加が問題になっていると思いますが、確かにそもそも社会全体としての医療費の増加をどうやって抑えていくか(減らすのは現実的じゃない気がするので)に関して、もう少し一般的に議論が進んでもよいのではないかと感じました。
今日は夜がふけてきたので、続きは次回Part 2として書きます。

Y.I (T’14)

2012年11月5日月曜日

Upper Valley Volunteer

Applicantの方とのディナーやチャットの際によく頂く質問の一つに「週末はどのように過ごされていますか?」というものがあります。そこで、今回は先日私と妻で一緒に参加したTuck主催のボランティア活動についてご紹介しようと思います。

私たちが参加したのは、Tuckが所在するHanoverの隣町にあたるNorwichで行われたハイキングトレイル(山道)の整備でした。あまり胸を張って言えることではありませんが、二人とも日本にいる頃はあまりボランティアに縁がなく、ブラジル人のスタディーグループメンバーに誘われたこともあり、参加してみようという話になった次第です。

参加者募集のメールを読むと「冬が本格化する前に我々が日頃お世話になっているトレイルを整備しながら紅葉を楽しみ、更にはTuck内の知り合いを増やしましょう!」という謳い文句だったので、早起きをしてかつ地域への貢献ができる週末のスタートとしてはこれ以上ない素晴らしい企画と実際の作業をする前から二人してすでに達成感に浸っておりました。

そして活動当日、同級生の車に乗せてもらい現地に集合、取り纏め役のNPOUpper Valley Trail Allianceというニューハンプシャー、バーモント州に跨る地域のトレイル整備を主な目的としている団体)の方が説明をした上で各人作業開始。と、さらっと書きましたが、ここで重大な事実が発覚。メールにトレイル整備と書いてあったのは、実際は『トレイルを造る』作業でした。具体的には風雨で崩れかかったトレイルを一旦掘り返し、強固な石段と砂利で補強するというものです。

ということでせっせとスコップを使って巨大な穴を掘り、我が家のダイニングテーブルくらいあるのではないかと思われる岩をてこの原理を使いながら山の中腹から運び、その上に別の場所から採掘してきた石を埋め込みハンマーで細かく砕き、さらに細かい砂利を敷き詰めることに。学生時代、部活の練習や試合の合間を縫って行っていた日雇い労働を彷彿とさせるハードワークでした。

私の場合、多少免疫があったものの、妻は元々体を動かすのにあまり慣れていないため、途中から青息吐息。作業の中には我々が元々想定していたような落葉掃きの仕事もあったのですが、その仕事は真っ先に手を挙げた、明らかに石運びや砂利採掘に向いているであろう筋骨隆々の同級生が請け負うというリソースの配分ミスも。彼の名誉のために補足しますと、決して彼は進んで楽な仕事を選んだわけではなく、各人の役割分担をNPOの方が決める際にたまたま最初に落葉掃きからやりたい人を募り、張り切っていた彼は自ら最初に志願し残った作業が実はやってみると相当ハードなものだったという訳です。

そして大雑把な国民性からか男女平等のカルチャーからか、誰も特に気にせず作業はスタートし、途中特に役割を交代することなく3時間後、めでたくトレイルに新たに二段ステップを増やし終了となりました。想定以上の重労働に面食らいつつも終わってみれば新鮮な経験が出来て非常に面白かったと思います。

最後に、Upper Valley Trail Allianceから彼らの活動概要や、今回のようにTuckからボランティアを募ることで労働力だけでなく州からの補助金を得ることが出来るシステムの説明を聞き、解散。また別の記事で詳しく触れようと思いますが、Tuckには中小企業やNPOに対して学生が5-6人のチームを組んで、23ヶ月に亘りで彼らの課題に対するアドバイスを行ったり、求められた成果物を出したりするTuck Student Consulting Serviceというプログラムがあります。私もそのプログラムに参加しており、Upper Valleyの環境保護を目的としたNPOに対するコンサル業務に取り組んでいます。全くバックグラウンドのない私にとっては今回のボランティアはアメリカのNPOとはどのようなものか?を知る良い機会になりました。

蛇足ですが、この週末はボランティアを行った後、ホストファミリーと昼食を取り、夜はハロウィーンパーティーで大いに盛り上がり、翌日は夫婦ともども筋肉痛でヒーヒー言いながら、私は月曜日のための予習、妻は家事に勤しむという週末を過ごしました。Tuckで過ごす週末に興味がある方のご参考に少しでもなれば幸いです。

作業終了後の集合写真です。写っていませんが、ズボンと手袋は実は泥まみれです。
作業したトレイルです。ステップ用の岩は巨大です。。

S.Y(T'14)

2012年11月1日木曜日

Why MBA/Tuck? - ビジットを通じて変わった志望度 - Y.I. (T’14)


今回はTuckの事だけではなく、私の経験をもとに、スクール選び(受験校の選定又は合格後の進学先の選定)について大事だと感じた事について書きたいと思います。
全員に当てはまる事ではないと思いますので、参考程度に読んで頂き、ご自身が考える際のヒントになれば幸いです。また、ここでの大前提として、どのスクールが上か下かの問題よりも、どのスクールがより自分にFitするかに焦点を当てています。
  • 可能であれば、志望度が強いスクールは必ずCampus Visitをする
  • Visit中に、できるだけ多くの授業、イベントに参加し、日本人だけでなく、日本人以外の学生と交流する(日本人はどのスクールでもminority
  • 事前にホームページや学校説明会などを通じてスクールに対する基礎的な理解を深めた上で、実際にVisitしてみてどう感じるかを確かめる
  • 学校のカルチャーや現地での生活スタイルが自分に合うかをしっかり見極める 

しかし、上記の行動をとる前に、下記の2点について深く考えることが非常に大事だと思います。
  • 自分がMBA留学をする目的、1-2年間の生活を通じて得たいモノは何か、を具体的に洗い出す
  • 洗い出した複数の項目の中で、自分にとってどれが本当に大事かを深く考え、優先順位をつける

完璧なスクールなど存在しないので、自分の優先順位が分からなければ、スクールは選べないと思います。
Stanfordの有名なエッセーの問題、”What matters most to you, and why?” というのは実にいい問題です。
人によって考え方は違うと思いますが、これが早いうちからがっちり決まっている人もいれば、時の流れと経験によって変わっていく人もいるかと思います。
Stanford
を受けるか受けないかは別として、この質問に対する自分の答えは何かをぜひ一度深く考える事をお勧めします。
さらに続けて、そこで出た自分の答えをもとに、MBA留学をしたい理由、留学中に何を手に入れたいかについて、具体的かつ現実的に考えるといいと思います。
複数のコトが浮かんだら、どれか1つを選択しないといけなかったらどれを選ぶか、という視点で優先順位をつけていくと、より深い思考ができるはずです。
「選択するという事は何かを捨てる事」と言われたりする通り、「選ばなかったモノを捨てないといけないとしたら、何を選ぶ?」という風に考えないと、単にどれも保持できる前提で順番を付けるだけになってしまい、深い思考にならないと感じました。 
MBA受験は自分を見つめ直し、生き方を考え直すいい機会なので、精神的に大変な時期もあるかと思いますが、ぜひ前向きに取り組み、有効に活用されるとよいと思います。 
参考までに私の事例(項目の変遷と絞込み)を書きます。
1. MBA留学の目的 / 留学中に得たいモノ / 留学先に求めるモノの洗い出し:Campus Visit
学び
  • 経営(General Management)の基礎力をつける
  • 英語力の向上(理解力、議論、交渉、など)
  • Entrepreneurship関係の授業の豊富さ
  • 選択授業の豊富さ

課外活動
  • 有名スピーカーの講演を聞く機会の豊富さ
  • リーダーシップを発揮する機会の豊富さ(クラブ活動、カンファレンス、イベントの豊富さ)

 人間関係
  • 長期的に続く人間関係の構築(友達、教授、ビジネス上の付き合い含む)

ビジネス / 就職関係
  • 箔をつける(有名MBAのブランド力)
  • アラムナイネットワークへのアクセス
  • Private Equity業界への接点の多さ
  • Venture Capital / Start-upへの接点の多さ


2. MBA留学の目的 / 留学中に得たいモノ / 留学先に求めるモノの洗い出し:Campus Visit後(⇒はvisitを通じて考えが変わるのに至った経緯の説明、青字は新しい項目)
学び
  • 経営(General Management)の基礎力をつける
  • 英語力の向上(理解力、議論、交渉、など)
  • グループワークの機会の豊富さ
    •   スクールによってグループワーク機会の量が全然違う事を知る。
  • Entrepreneurship関係の授業の豊富さ
    • 自分が訪れたどのスクールも最低限のリソースと機会はあると判断。
  • 選択授業の豊富さ
    • 選択授業の量よりも質が重要だと気づく。在校生の話を聞き、事前のリサーチで気づかなかったプログラムを知ったり、2年間のカリキュラムの構成が巧みに練られているスクールと独立しているスクールがある事に気づく。同時に、選択授業は入札形式のスクールもあり、必ずしも受講できる訳ではないし、有名教授の授業が必ずしも学びが多い訳ではないと知り、受験生としての情報量の限界から、授業の細かい内容を見ることはスクール選びという大きな決断を動かすものではないと判断する。
課外活動
  • 有名スピーカーの講演を聞く機会
    • Visit中に多くの人と話す中で、これはスクール選びに影響する程の要素ではないと判断。
  • リーダーシップを発揮する機会の豊富さ(クラブ活動、カンファレンス、イベントの豊富さ)

 人間関係
  • 長期的に続く人間関係の構築(友達、教授、ビジネス上の付き合い含む)

 ビジネス / 就職関係
  • 箔をつける(有名MBAのブランド力)⇒これが気になっていることは変わらないが、非日本人在校生や同じタイミングでvisitしていた非日本人受験生との会話を通じて、日本と海外でブランド力にギャップがある事を知る
  • アラムナイネットワークへのアクセス
  • Private Equity業界への接点の多さ
  • Venture Capital / Start-upへの接点の多さ 

環境
  • スクール全体のカルチャー
    • 生徒同士の関係、日本人生徒とその他の生徒との関係、教授との距離、スタッフの人々の人間性などが、スクールによって思っていた以上に異なる事に驚くとともに、visitを通じてすごく居心地がいいスクールがある一方で、魅力を感じないスクールもあった事自体にも驚く。また、複数の授業に出席する中で、同じ科目を教えていても、スクールや教授によってアプローチの視点やコアメッセージが異なる印象を受ける。
  • 生徒の日常生活のパターン
    • スクールによって生活パターンが結構異なる事に気づく。授業以上に、クラブ活動や各自が興味のある個別のプロジェクト(起業、インターン、カンファレンス、イベント、コンペティションなど)に時間を使っている場合もあれば、グループで課題に取り組んだりディスカッションを重ねたりする時間が多い場合もあるし、授業後は生徒がキャンパスの外に散る場合もあれば、多くの学生がキャンパス周辺で一緒に勉強しているか遊んでいる場合もある。どれがいいかではなく、どれが自分に合うかの問題。
  • キャンパスやその周辺の生活環境
    • 2年間家族で現地で生活する際に、生活環境の影響は想像以上に大きいと気づく。家族同伴の場合は家族が楽しめる環境か、治安は大丈夫かは大事だし、長い間勉強やその他の自己研鑽に励む土地を気に入るかどうかは、思っていたより精神面に影響すると感じる。
  • 卒業後5年~10年の間に何が本当にやりたいかに関する探究ができる環境
    • ⇒エッセーに具体的なGoalを書くも、実際には卒業後に情熱を注ぎたいものが何かが完全には定まっていないと感じ、自分で色々情報を集めながら考える時間や、興味のある業界で働く人と合う時間が必要と判断。また、アメリカでネットワークを広げるには、スクールのキャリアオフィスや教授からのサポートも重要と判断。


実際には、上記に挙げた点の倍以上に気になっていた点があったのですが、Visitを通じて受験予定先のスクール間で大差がない事が明確になったり、比較検討するに値しない事に気づいたりしたので、検討項目をより絞る事ができました。

3. 優先順位の決定
最終的に進学先を決定する際に、判断に与える影響が高い項目を選び出し、優先順位をつけました。
  1. 卒業後5年~10年の間に何が本当にやりたいかに関する探究ができる環境
  2. スクール全体のカルチャー
  3. 長期的に続く人間関係の構築
  4. 生徒の日常生活のパターン
  5. グループワークの機会の豊富さ
  6. キャンパスやその周辺の生活環境

最終的にこの6つに絞りました。見ての通り、6項目中5項目はCampus Visitを通じて自分にとっての重要性の高さに気づいた項目です。
ブランド力、ステータス、日本におけるアラムナイネットワークの強さなどに関しては、就職活動や今後のビジネス界でのステータスなどを気にして挙げていたポイントでしたが、最終的には自分の能力と行動次第だと自分を納得させ、考えるのをやめました。これに関しては、頭でそう思っていても、実際に決断を下す際に手放すのがなかなか大変でしたが、今振り返ってみても、この事を除外して考えた事により、2年間で得たいモノは何かに関してよりフォーカスができた結果、良い決断ができたと思っています。

Y.I (T'14)