2013年12月23日月曜日

How classes intersect with career interests - 期待以上に役立っている授業経験 -

授業とキャリア

あっという間に2年目のFall Termも終わり、MBA生活も残すことあと半年になってしまいました。既に業務経験が7年あったのと、元々勉強嫌いな私はMBAの授業に対してあまり高い期待を持っていなかったのですが、これまでを振り返ってみると、想像していた以上に授業が自分の卒業後の志望キャリアへのステップとして役立っていることを実感する場面が多かったので、その点に関して焦点を当てて書きたいと思います。時期としては、Spring Term (1st Yr)Summer InternFall Term (2nd Yr)Winter Term (2nd Yr)に絞ります。

私のキャリア目標

まず、私の卒業後のキャリアとして希望している領域ですが、時期によって優先順位が入れ替わっていますが主に下記の3つです。

・アメリカ/日本のテック系企業(一部の大手、スタートアップ)
・起業
・ベンチャー・キャピタル(以降VC

TuckGeneral Managementで知られている学校なので、決してこの分野に興味がある人に対してTuckがベストな学校だと主張する気はありませんが、Tuckではやや少数派のキャリア志望(とはいえ2013年卒業生の13%がテック業界に進んでいます)の人にとっても、きちんと有用な授業を提供しているという事を伝えたいと思います。(参考までに最終的にTuckを選んだプロセスについてはこちら

Spring Term (1st Year)

今年から少し変更がありましたが、私の1年目のSpring Termの授業構成は下記の通りです。Electiveに関しては卒業後のキャリアとしてプライベート・エクイティ(以降PE)、VC、スタートアップのいずれも検討していたので、それぞれに関わる授業を履修しました。

Core(必修)授業
Operation Management
  •  オペレーションの重要なコンセプトと分析方法に関する授業でした。生産工程におけるボトルネックの特定や効率化の手段などを、チームを組んでのシミュレーションゲーム等を通じて定量的に分析して意思決定することを学びました。
Management Communications
  • 分かりやすいパワーポイント資料の作成とそのプレゼンテーションを鍛える実践的授業です。毎週課題が課され、少人数のグループの前でプレゼンテーションを行い、お互いにフィードバックをしてプレゼンスキルを磨きました。自分のプレゼンは毎回録画され、後で見てはがっかりするという感じでした・・・。
First Year Project
  • 5,6人のグループである企業に対するコンサルティングプロジェクトを行うか、起業を目指して自分達のビジネスプランを磨きます。FYPに関する概要はこちら。私は前の投稿で触れたプロジェクトをやることにしました。コモディティに近いナッツという商品のマーケティングを通じて、自分が殆ど馴染みのない業界で、馴染みのないスキルを身につけたいという考えで選びました。また、クライアントは農家ではなくナッツ農場を買収した投資家で、新しくビジネスを立ち上げるかのようにゼロベースで戦略を考えてほしいとのことだったので、面白い経験でした。

Elective(選択)授業
Entrepreneurial Finance
  • スタートアップの資金調達に関するファイナンス系の授業です。投資家側、起業家側、双方にとって役立つように設計されています。講義、ケース、ゲストスピーカーがほぼ均等に行われ、講義ではタームシートと呼ばれる一般的な資金調達の契約書に含まれる条項の内容や、その数字面でのインパクトの分析手法を学びました。ケースでは比較的直近のスタートアップを題材にしたものが選ばれ、投資家側と起業家側双方の思惑、創業者同士の最初の株式の分配、スタートアップのビジネスの評価などについて議論を交わしました。ゲストスピーカーはTuckの卒業生でシリコンバレーで活躍するテック系の起業家、大手ベンチャー・キャピタルの投資家などが呼ばれ、特定のテーマに沿って講義をする場合もあれば、自分達の実際の投資案件や経営中の企業を題材にディスカッションをする事もあり、授業後には個別に話してネットワーキングする機会にも恵まれました。
Leading Entrepreneurial Organizations
  • 3部構成になっており、1部ではスタートアップの起業時の分析、2部では創業する場所が企業の発展にどういう影響を及ぼすかを分析、そして3部ではいくつかのグループに別れて特定の領域におけるスタートアップの動向について、これまで学んだ組織に関連したフレームワークを用いて分析を行いました。授業の名の通りビジネス面よりも、組織面に重点を置いた内容でした。例えばテック系スタートアップ等のビジネスケースを通じ実際に起業に踏み切る局面でどのように共同創業者や初期従業員を募集し、どういう事を考えて採用するかについての分析や、有望なスタートアップが失敗した原因を創業者の内面から分析しました。また、5人の連続起業家やスタートアップでの勤務経験者などを呼んで、それぞれの人がどういう事を考えて起業至ったか、またどういう風にしてリスクを軽減したかなどについて話してくれるセッションもありました。まさに私は起業するかどうか、するとしてもどのタイミングでするかなどについて悩んでいた事もあり、非常にタイムリーな授業でした。
Structuring Merger & Acquisitions
  • 様々な方法(株式交換、現金による買収、条件付買収など)で発表あるいは執行されたM&Aのケースをもとに、限られた情報で適正なバリュエーションは何かについて議論する授業です。それを通じて、どのようなケースにおいてどういう仕組みのM&Aが望ましいのかということを、経営者として判断できるようにする事が目的です。既にCorporate Financeについてある程度の知識がある事が前提となっており、毎回自分で簡単なモデルを作成して分析をしてから授業に出ることが求められましたが、細かい数字分析よりも、そのM&Aがどういう意味を持ち、企業や投資家に対してどのようなインパクトがあるのかを理解する事により重点が置かれていました。

     
FYPで訪れたAustinにある広大な農場。夕飯のBBQの前にチームメートとクライアントとサッカー。


Summer Intern

夏にはサンフランシスコにあるVC3ヶ月インターンをさせて頂きました。主にサンフランシスコ/シリコンバレーのスタートアップに対して、初期段階(業界ではアーリーステージ企業と呼ばれ、資金調達のラウンドとしてはシード、シリーズAと呼ばれている段階)での投資をしている会社でした。私はテック業界での業務経験は渡米前に日本でやらせて頂いた1ヶ月のインターンしかなく、知識・経験が浅いので、事前に業界関連の本やニュース、ブログを読み漁りましたが、それ以外にもTuckで学んだ事も役に立ちました。私が任せて頂いた業務の中で、新規投資先候補企業の分析があったのですが、Entrepreneurial Financeで学んだいくつかのフレームワークや、授業で扱ったケースを自分で分析した時に見落としていたコンセプトが頭に残っていたので、社内の他のメンバーに対して自分の見解を述べる際に有用でした。また、インターン中に自分が担当した1社に対して実際に投資を実行することが決まり、同授業で学んだタームシート(投資契約書)を実際に精査する機会に恵まれました。一方で、やはりどんどん出てくる画期的なアイデアを持ったスタートアップのビジネスを評価するにあたって苦労する事も多く、その経験が次のFall Termでの授業の学びを濃くしてくれました。

サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ

Fall Term (2nd Year)

Spring TermElectiveを選んだ時はまだバイアウト系のPEも卒業後のキャリアとして考えていたのですが、夏のインターンを通じてVCを含めた広義のテック業界で働き、いずれ起業したいという気持ちが強まったため、それに基づいた授業選択をしました。

Entrepreneurship and Innovation Strategy
  • これはこれまでで自分の人生で一番面白く、Eye-openingな授業でした。教授のRon AdnerThinkers50という世界のManagement ThinkersのランキングでOn the RadarというTop 50の次点的な表彰を得ており、注目され始めています。授業の内容は、イノベーションによって新しいビジネス機会が創出された場合に、仮に経営者が合理的、セオリー的に正しい意思決定をした場合でも、実はそれが原因でいずれ失敗する理由について迫る授業です。HBSの有名なChristensen教授の名著「イノベーションのジレンマ」と一部では重複した内容ですが、Adner教授はオリジナルの見解・分析を加えています。教授が、「イノベーションが成功するには多くの要因が揃わないといけないので、成功率を高めるのは難しい。しかし、失敗を事前に予想する能力を高めることで、失敗する確率(要因)を減らすことはできる」と言っていたのが印象的でした。一見矛盾しているように聞こえますが、これがこの授業の本質の一つです。この授業を夏の前に学んでいたら、スタートアップのビジネスを評価する際にかなり役立っただろうなと実感しながら勉強していたので、今でも授業内容が鮮明に頭に残っています。
Advanced Entrepreneurship
  • 1年目のWinter TermElectiveIntroduction to Entrepreneurshipという起業に向けたビジネスプランを作る授業があり、この授業はその続編のようなものです。授業の2/3はゲストスピーカーで、成功した起業家、失敗した起業家、ベンチャーキャピタリスト、起業関連業務に携わる弁護士、営業のプロ、大企業の事業買収担当者として成功している人等々、様々な異なる立場からの話を聞くことができました。授業外では個人又はチームで起業プロジェクトを手掛け、最後の授業では投資家、経営者、起業家などで構成されるゲスト審査員に対してビジネスのプレゼンをしました。私は実際に起業を目指しているクラスメートと組んで、コンセプト作り、潜在的パートナーや仕入先の開拓、市場調査、収支予測、会社設立などに関わりました。プレゼンではManagement Communicationsで学んだ事とインターン中にシリコンバレーで学んだ事を融合させて実践し、ビジネスモデルを練り上げる過程では、質の高いサービスを競合よりも低い価格で提供しつつ利益を確保するために、Operation Managementで学んだコンセプトを使って生産工程の効率化やボトルネックを検証しました。
Consumer Behavior
  • マーケティングの授業ですが、細かなテクニックよりも消費者心理学に焦点を充てた内容でした。消費者の心理を動かす主要な原理を理解し、どのような事を考えてブランディングやプロモーションを行うことで効果的に消費者に購入するという行動を導き出せるかということなどについて学びました。授業は講義・ケース・ゲストスピーカーの組合せで行われました。宿題では、ある状況において自分がChief Marketing Officerだったらどのようなマーケティング戦略を取るか、という事を書いて提出する事を何度か求められました。この授業で学んだ事は、上述のAdvanced Entrepreneurshipで関わっている起業プロジェクトのマーケティング戦略やロイヤリティプログラムなどの骨子を策定する際に役立ちました。
Law, Technology and Entrepreneurship
  • この授業はThayerというDartmouthのエンジニアリングスクールの授業なのですが、Tuckの学生にもオファーされており、Tuckでは受けれない法務に関する授業だったので履修しました。起業に関連した法律や契約に関する授業で、知的財産(特許、著作権、トレードマーク)、雇用契約、会社形態毎のメリット・デメリット、そして設立時の必要手続き及び契約書類などに関して学びました。いずれも実際に起業をする際には必須の知識で、先程の起業プロジェクトで実際に会社の設立手続きを今しているところなので、早速役立ちました。

·     

       グループワークのミーティングの際のホワイトボードのメモ


Winter Term (2nd Year)

来年1月から始まるWinter Termでは、下記の経験・考えを基に授業を選びました。
  • Fall Term (2nd Yr)でやはりTuckStrategy系の授業は質が高いと再認識
  • テック業界で働く場合や起業する場合においても、Strategicな考え方は重要であると考えている
  • 有名起業の成功要因を理解しておくことは就活のインタビューや業界の人と話す際に重要であるとインターン等を通じて実感した
  • インターン中に会ったスタートアップや自分が現在関わっている起業プロジェクトでの経験を通じて、次々と進化するテクノロジーを活用した顧客とのコミュニケーションは重要と感じた
  • マーケティングはビジネスの重要な要素であるが自分はあまり経験がない
実際に履修予定の授業は下記で、全て希望通りに取れました。ちなみに、Tuckの授業選択のいいところの一つとして、スモールスクールなので取りたい授業が取れない事が殆どないことがあります。来期の授業なので、手短に内容を説明します。

Deconstructing Apple (Research to Practice)
  • これは近年Tuckで始まったResearch to Practiceという履修人数を10数名に限定した少人数講義で、教授の専門分野の中から特定のテーマに絞ってより深く掘り下げて学び、生徒同士、生徒・教授間のディスカッションを蜜に行うことを意図しています。この授業ではアップルの設立時から今日までの成功と失敗に関して、専門家によるリサーチなども参考にしながら分析します。
Digital Marketing Strategy
  • テクノロジーの進化に伴い人々のメディアの消費行動が変化していく中で、多くのマーケティング戦略・理論は時代遅れになっているため、変わりゆく消費者行動に対応した、新しいメディアを活用したマーケティング戦略を構築する必要があるというのが主旨の授業です。
Innovation Execution
  • 組織の中でイノベーティブなビジネスアイデアが生まれた場合、革新的な組織改革をするプランがある場合に、それをどのように組織の中で実行していくか、どうやって組織を動かすかという、General Management的な授業です。
Strategic Principle of Internet Business
  • インターネット関連ビジネスにおいて重要な戦略的要素を学ぶ授業です。LinkedIn, Zynga, Yelp, Foursquare, Monster.com, Amazonといった最近の有名成功企業をケースで扱います。
Database Marketing
  • 名前の通り、データを分析してマーケティング関連の意思決定を行うための分析手法を学ぶ授業です。テクノロジーの進化に伴い膨大なデータを迅速に収集・分析できる時代なので、今後より重要性が高まる分野だと思います。         
このように、あくまで1つの事例ですが、どのようにしてキャリアの興味と授業が結びつき、役に立っているのかを少しイメージして頂けたなら幸いです。特に他業界への転職を考えている場合は、もちろん授業だけでは十分ではないので、空いている時間で別途努力をする必要はあります。Tuckでは、授業外でも、課外活動に参加しながら自分のしたい事をする時間を自分次第でつくりやすい環境にあると思います。


Y.I (T'14)

2013年12月21日土曜日

Friendship Family Program

今回はFriendship Family Program(以下、FFP)について書きたいと思います。

FFPとは

FFPとはダートマス全体(学部、MBAや医学部含む各大学院)のInternational Student(海外からの留学生)の希望者全員に対して、11でホストファミリーをマッチングしてくれるプログラムです。

事前に学生のプロフィールや希望を大学側が確認し、ホストをボランティアしたいと手を挙げた家族のバックグラウンド等を考慮して、なるべくフィットがあるよう考慮の上、各生徒に対して1ホストファミリーが割り当てられます。入学前に記入した申し込み用紙では年齢、国籍、言語、家族構成、食事制限の有無、学術的興味、趣味、希望するホストファミリーの家族構成(子供やペットの有無等)、そして簡単な自己紹介を聞かれました。入学後間もなくして、キャンパス内の講堂でオープニングセレモニーが催され、ホストファミリーとの初顔合わせと、簡単なスピーチやゲームが行われました。基本的にはまず1回会ってみて、その後の交流は自由ということになっています。したがって、1回しか会わなかった人もいる一方で、ほぼ毎月会っているケースもあります。ホストファミリーは地元のHanover周辺に住んでいる家族なので、夫婦のどちらかがダートマス関係者の場合もありますが、ダートマスと無関係の場合もあります。

初めてアメリカ、あるいはハノーバー周辺で暮らす学生とその家族に対して、学校の教育ではカバーしていないアメリカの歴史、文化、習慣や、地元での生活情報に関して、学生とは世代が違うアメリカ人との交流を通じて学ぶ機会を提供するとともに、少しでも早くハノーバーでの生活に馴染めるようにという想いで毎年行われているプログラムです。

LoriRobertとの出会い

私のホストファミリーとなったLoriRobertとは先述のオープニングセレモニーで初めて会いました。Loriは長年法律事務所で弁護士として働いた後、現在はダートマス大学の法務顧問として働いています。Robertは元外交官で、現在は引退してダートマスの授業を受けたり、新しく購入した家の改装などをしているようです。Robertは昔東京に駐在していたこともあり、日本に対する一定の理解があり、初めて会った時から話が盛り上がりました。2人はとても親切で、暖かい雰囲気を持っており、私の嫁があまり英語が得意でないことが分かると、すぐに分かりやすい言葉を使ってゆっくり話すようにしてくれました。初対面の印象がすごく良く、安心して家に帰ったのを覚えています。


ホストファミリーの家にて

早速2週間後にホストファミリーの家に伺い、夕食をご馳走になりました。ホストファミリーの家は私の住むSachemから車で20分位のところにあります。少し街から離れた自然がさらに多いエリアで、行く途中で広々とした草原があり、そこで鹿の群に遭遇しました。最後に木々に囲まれた登り道を抜けると、木とガラスを基調にした素敵な家がありました。家に着くとまずはチーズやナッツのアピタイザーをつまみながらお酒を飲み、その後ダイニングテーブルへ移動してRobertがつくってくれた魚のグリルを食べました。料理が予想以上においしくて、食べ過ぎてしまいました。このお家では夫が先に引退していることもあり、家事は旦那が結構しているようです(笑)

最初のFall Termの合間だったので、久々に学業や就活に追われている日々から離れ、落ち着いて色々な事を話す時間が取れました。お互いの家族や生活について話し合ったり、私達が疑問に思っているアメリカでの習慣や文化に関する質問に答えてくれたり、Robertが数十年前の日本での経験について語ってくれたりと、話は多岐に渡りました。Robertは日本にいた時に日本の伝統的なモノに感銘を受けたようで、家の中に着物や日本から持ってきた木の家具などが置いてありました。分かりづらいですが、上の写真の私達の後ろにあるのがその着物です。また、今後は庭造りに取り組む予定で、日本風で、かつ石庭のある庭にするつもりだそうです。「イギリス式の庭は美しいけど、あれは見て終わってしまう。日本の庭は見た目の美しさだけでなく、そこで瞑想し、色々と考えを巡らさせられるから、とても好きなんだ」とRobertが言っていたのをよく覚えています。アメリカ人から見た日本について学び、改めて日本について色々考えるいいきっかけにもなりました。

うちに招待して和食をサーブした時。この辺では買えないからか、なぜかゴボウを抱えての一枚

その後も2ヶ月に一度はホストファミリーと会っています。去年の年末にうちに呼んだ時はクリスマスプレゼントをくれたので、新年にお返しに日本の風呂敷をプレゼントして、とても喜んでくれました。また、今年の10月はホストファミリーの趣味であるハイキングに一緒に行き、New Englandのきれいな自然を一緒に楽しんできました。その際にも色々と話す中で、娘さんの就職がようやく決まって喜んでいましたが、卒業後3ヶ月以上過ぎてもまだ同級生の半分は就職先が決まってないなど、ニュースを読むだけでは実感できないアメリカの現状についても色々と学びました。




ハイキングの時の写真。嫁は前日のテニスの試合の影響で筋肉痛が残っていたようです・・・

 ハイキングへ向かう途中で日本式庭園を発見!


FFPのおかげで良き出会いがあり、学生・教授・スタッフとはまた違うバックグラウンドをもつ家族との交流を通じて、学校では得られない貴重な経験・学びを得ることができ、大変嬉しく思っています。もしTuckで学ばれることになった際には、ぜひFFPに申し込んでみることをお勧めします。

 


ホストファミリーからもらったプレゼント
地元で有名なガラス工房のキャンドルと寒い冬を越すためのジャケット




Y.I (T'14)

2013年12月15日日曜日

Independent Study – 日本企業の人材の国際化について

そもそもIndependent Studyとは...
今回は私が夏休みの間に取り組んだIndependent Studyについてご紹介したいと思います。Tuckでは基礎科目、選択科目以外に単位を取得できる選択肢の一つとしてIndependent Study (以下、I/S)があります。これは生徒個人が興味のある分野に関するテーマを設定し、二人の教授の監督の下、一学期を費やしてそのテーマの研究を行うものです。MBAの趣旨に沿ったテーマであること、一単位分の授業に相当する作業量を要すること、既存の授業と内容が被らないことなどいくつかの基準はありますが、その基準さえ満たせばかなり自由なテーマ設定が可能です。同級生に聞いてみたところ以下のようなテーマでI/Sを行ったとのことで、かなり幅があることがお分かりいただけると思います。
  • ある米国企業と韓国企業のJV(製造業)の過去の戦略の検証及び今後の動向に関する考察
  • 米国在住のラテンアメリカンの消費動向の調査
  • エンジニアリングスクールと協働して開発中のパワーエレクトロニクス技術のフィージビリティスタディ
  • 不動産開発事業のフィージビリティスタディ及びビジネスプランの策定
  • 起業を目指す複数の学生チームによる「リーン・スタートアップ」と呼ばれる必要最小限のプロダクトによる仮説検証を繰り返す起業方法の実践(来学期開始)

自分が選んだテーマをその分野を専門とする教授と共により深堀りできることや教授とより近い距離で意見をやり取りしたり、フィードバックを受けたりできることなどがI/Sの利点だと個人的には感じました。TuckGeneral Management Schoolを自任しているため、基本的にはGeneral Managerとして適切な判断を下す上で必要な視点や道具を身につけることが授業やプログラム全体の主たる目的ですが、特定の分野に関してもっと突っ込んで知りたい、専門の教授と強い人脈を作りたいという要望に対してI/Sは上手く通常授業を補完するような位置づけになっているのではないかと思います。

私の場合...

私個人が行ったI/Sに話を移しますと、私の場合社費派遣の規定上インターンを行うことが出来なかったため、その代替案として若干変則的ではありますが、夏休みの間I/Sに取り組むことに決めました(単位は翌秋学期扱い)。一年目の春学期にManaging Talentという 新しい授業が開講され、元々専門ではないものの興味があった人事の色々な側面(採用、評価、動機付けetc.)に関して学ぶ機会があり、もう少し深く突っ込んで考えてみたいと思い、その担当教授に監督をお願いすることとなりました。話し合いを重ねた結果、いくつかの候補の中から結局「日本企業が今後競争力を確保していくためにいかに人材の国際化を行うべきか」というかなり壮大な(?)テーマ設定に落ち着きました。きっかけとしてはアジアを含む様々な国の企業がキャンパスに来て積極的に自国出身者以外の人材の採用活動を行って競争力を確保しようとしている一方で、その中に日系企業を見かけることは殆どなく、この状況に問題はないのだろうか、MBAに限らず海外の人材が日系企業を選び、そこで上手く働いて成果を出すには何が必要なのだろうか、ベストプラクティスはあるのだろうか、と考えたのが始まりです。

直接関係ありませんが、夏のハノーバーです。緑が非常に眩しいです。

成果物をより実践的な内容とするために、派遣下の企業からの依頼を受けたコンサルティングプロジェクトという形で本研究に取り組むこととしました。他のI/Sのケースでは実際にクライアント企業の要望に対して成果物を出すという場合もあったようです。作業の流れとしては、まず教授と全体スケジュールを合意し、Tuckの学生全員がアクセスを与えられているデータベースから関連する論文、書籍、記事を見つけてそれらを読み漁り問題設定を明確にした上で、その後参考となる企業に対してインタビューを実施したり、アンケートを回収したりすることで国際化を行うことによるメリット、デメリット、行う上で障害となる点やその解決策などを纏めていくこととなりました。

最終成果物(パワーポイント)のカバーページです。

詳細について全て触れていると長くなってしまいますので、重要なポイントだけ述べますと、インタビューの中で外国人の従業員は日系企業で働くにあたってやはり日本人でないと裁量が小さく昇進やスキルアップの機会が限定的である(Lack of Career Opportunity)ことが最も大きな問題点であると繰り返し指摘していました。逆に、例え言語や文化(長時間労働、意思決定プロセスの違い、コミュニケーション方法の違い)で大きな適応を強いられても十分な機会が与えられている企業ではそれらの点はそこまで気にならず、むしろ異文化を経験して自分の引き出しを増やすことが出来るので前向きに捉えている、というコメントも別のインタビューでは何度かあり非常に興味深く感じました(残念ながらこのケースは非日系企業の方が多かったです)。日系企業の現状としては、多くの場合、社長、重役レベルの人材を外部から招聘したり、新卒採用において一定数海外からの人材を採用したりするに留まり、組織の極端に上や下だけで国際化の試みがなされている状況です。国際化が組織全体に浸透していない場合は、結局海外から採用した人材も日本化(=郷に入っては郷に従えの精神で極力日本人と同じように振舞うことに専念する)してしまい、わざわざ日本人以外の人材を採用した意味がなくなってしまうケースも見受けられました。

又、そもそも人材の国際化による多様性の確保がどれだけ企業の競争力に繋がるのかという点についても、便益が明確なケースとそうでないケースがあり、一概にメリットがあるとは言えないのも事実です。ただ、厚生労働省発表の推移予測によれば、向こう50年で30%以上(さらに言えば労働人口にあたる15歳-64歳に至っては45%以上)人口が減少する見込みである日本において、経済や財政を今のレベルで保つための数を確保する観点から海外からの人材の確保は避けては通れない問題なのではないか、と考えています。


授業でもこの難題の先頭にいる日本はどのように対処するのか?という質問が取り上げられています。

話をI/S全般のことに戻しますと、以前の1年目を振り返るポストでも触れましたように、自主的にやりたいことを追求して自分にとってMBAの価値を最大化する上でI/Sは一つの有効な手段だと思います。企業派遣という立場がネックになってなかなかインタビューを受けてもらえなかったり、受けてもらっても表面的な回答ばかりであまり本音を聞けないのでは、と懸念していたものの、教授が紹介してくれた企業やTuckの卒業生のネットワークを通じて現場の生の声を数多く聞くことができ、非常に参考になりました。Tuckという学校の信用力の高さやアラムナイネットワークの強さを実感する良い機会となりました。Tuckで学ぶ際にはぜひ一度 I/Sの検討をされることをお勧めします。

最後にこれから1月頭のアプリケーション締め切りに向けて作業が追い込みに入っていく方も多いと思いますが、寒さや疲れに負けず最後まで走りきれるよう遠くハノーバーに地より応援しております。私自身が2年前同じようにアプリケーションを準備していた時のことは今でも昨日のことのように思い出せます。あの時は忘年会に繰り出す同僚、友人たちを見ながら何で自分はわざわざこんな大変な思いをしてるのだろう、と幾度なく思いましたがその努力に見合うどころか、おつりが来るくらいの経験をこちらに来てから出来ているとしみじみ感じています。ご自分のそういった姿をイメージしながらこの大変な時期を乗り越えていただければと思います。すでにアプリケーションを提出された方はお疲れ様でした。インタビューなど次のステップあるかもしれませんが、もう一踏ん張り頑張って下さい!

何か在校生がお手伝いできることあれば遠慮なくご連絡下さい。我々も可能な限り全力でサポートします。

S.Y (T'14)

2013年11月27日水曜日

Tuckに来て3ヶ月が過ぎて・・・


はじめまして、Tuck 1年生のKと申します。現在、Fall B という学期の後半ですが、今週はThanksgiving のために数日間のお休みがあります。多くの学生が地元に帰り、家族との大切な時間を過ごしています。私は妻とともにSachem village に残り、再来週に行われるFinal Exam に向けて準備をしています。

Tuck のあるNew Hampshire Hanover には8月に到着して、9月から授業が始まりました。それから3ヶ月ほどが経過しましたが、「Tuck に来て、本当に良かったな」といま心から実感していることを記録しておこうと思います。受験生の方々の参考になりましたら幸いです。
 

1.      学生がほとんど同一の場所に住み、また街が小さくまとまっているため、同級生といつも顔を合わせて家族のように仲が良くなる。

学生は、Tuck 敷地内の寮、もしくはSachem VillageDartmouth 関係者の住む一軒家の集合した地域)に住むことが多いです。そのため、大学内だけでなくプライベートでも顔を頻繁に合わせて、自然に家族のような絆が生まれて来ます。また、特にSachem Village の場合は、Dartmouth大学のTuck 以外の関係者(研究者、医療者など)とも仲良くなるため、multi-disciplinary な関係が日常生活でも広がります。MBA を卒業した後も一生大切にしたい仲間を作りたいこの時期に、Tuck のコミュニティーで仲間を見つけられることをとても幸せに感じています。
                                      study group のメンバーと一緒に)


2.      教授との距離が近い。

Tuck では、「生徒の数/教授の数」の比率が高いことから、相談や質問などで気軽に教授を訪ねることが出来ます。私も、一部の教授にほとんど毎日会いに行っています。Tuck には世界的にも有名な教授が多数在籍しており、各分野において著名な教授に、自分の今後の目標に関する具体的なアドバイスを頻繁にもらえる環境は、大変恵まれています。教授陣も、私達が在学中に世界を変えていく能力を養っていくことを期待しており、学生の相談や質問に真摯に対応してくれます。このアットホームな環境で教授と意見をかわして、自分の目標やプロジェクトについて話し合っている時に、Tuckで学べて良かったと常々実感しています。
                 (Tuck Drive を進むと、右手に教授陣のoffice が並んでいます)
 

3.      1900年創設(全米最古)という伝統を感じさせる演出が、至るところにある。
 
Tuck には、古い伝統の中で学べることを学生が幸せに感じられる演出が、あちこちに施されています。例えば、New England 地方の伝統を思い起こさせる趣深いホール、壁に飾ってある歴代(1900年~)の卒業生の集合写真、古い歴史を感じさせるTuck Hall(下写真)など。 

大学の講義の後、study group の勉強会を終えた帰り道に、Tuck Hall の前で迎えの車を待つのですが、星空の下でTuck Hall を見上げながら、「自分がしたいことをある程度成し遂げて、またここに帰って来たときに、このTuck Hall を見ながら感慨深く思うだろうな」と想像しています。「長い歴史の中で、諸先輩方もここに立って同じように志を燃やしていたのだろう」、「自分もその歴史の1ページに軌跡を残したい」と考えているうちに、一日の疲れを忘れて、心新たにして帰宅しています。
       (写真は昼間のTuck Hallですが、夜にはこの青空が星で一杯になります)

Tuck に来て、本当に良かったな」と思うことは、この他にも、現地の方々とのつながり(Hanover の特性上、輝かしい経歴を持つ方々がたくさん集まっており、夕食会などで人のつながりが広がっていきます)、街や自然の美しさ(夏は、芝生や木々の緑と青空とのコントラストが最高に美しいです。また秋の紅葉は、アメリカ国内でも北東部でしか見られず、特にNew Hampshire の紅葉は有名)など、いろいろありますが、また改めて投稿します
Kazu (T’15)