Look, I only have three things to do. I have to choose the right people, allocate the right number of dollars, and transmit ideas from one division to another with the speed of light."
- Jack Welch, Former CEO, General Electric
先週Tuckに入学して初の授業が終了したのでここで纏めておきたいと思う。Analysis for General Managersは僅か3週間のクラスで6つのケースを扱い、事業戦略の分析・構築を行いながら、上記ジャック・ウェルチ氏のコメントにもあるようなGeneral Manager の視点、そしてGeneral Managerの役割とは何かを叩き込まれる。 僕の教授は“名経営者が何故失敗するのか”という著書も出している、Sidney Finkelstein氏。名実ともにFallAにおいては最もハードな授業の一つであったと感じている。以下に特徴や気づきを明記する。
・ワークロードの多さ:
一つ一つのケースの分量が相当長く、ものによっては20ページを超えてくる。さらに補足で読み物まで用意されており、優先度をうまくつけて大量な情報を高速かつ効率的に処理しないととても対応しきれなかった。特に自分にバックグラウンドがないテーマの場合については基本情報の把握等に時間を費やしがちであった。
・授業における発言機会の獲得の難しさ:
この授業は評価配分が最終試験が50%で授業への参加が50%であり、皆ここぞとばかりに手を上げてくるため、発言機会を得るのに相当苦労をした。さらに授業の展開が自分の想定通りに進む事はなく、発言のネタを事前に練っておいてもそれを活かす機会は非常に作りにくかった。個人的に意識した戦略としては、自分の得意分野で回答パターンを用意しておきつつ、それに固執することなく、授業の流れで発言できそうなタイミングがでたらすかさず手を上げる事。あとは自分の経験の基づいた発言はバリューが高いという認識があり、日本での経験や自分の会社での経験等で応用できるものがないかという切り口でケースを考え、発言ネタを考えるようにした。
・視野の拡大:
全てのケースにおいて、経営者として自分ならどうするかという問いを常に意識させられた。僕はセールス&マーケティングがバックグラウンドなので、アクションプランはどうしてもそちらに偏りがちであったが、授業に加え、事前のスタディーグループの中でファイナンスがバックグラウンドの人間や、実際にケースの題材となっている企業の業界にいた友人から、それぞれ異なった切り口の戦略が提示される。議論を重ねる中で、「そういう考え方もあるのか!」といった多くの気づきが得られ、結果的にビジネスを見る視点を増やすことができたと思う。
・ケースを超えた範疇での議論や学び:
ナイキが様々な流通チャネルを通じて自社の靴を販売している中、わざわざナイキタウンを展開した理由は何か?アップルがアップルストアを展開した目的との違いは何か?
授業の中ではこのようにケースの話から少し外れた議論も行い、非常に面白かった。それを軸にユニクロがUS展開をするにあたり、一度失敗した経験に基づきNYにフォーカスをして再展開をした理由は何かなどを教授と個別に議論したりと、ケースを軸に、実際の昨今のビジネスの戦略を考える土台を提供してくれた。
当然事業戦略を分析するためのフレームワーク(SWOT等)を扱う場面はあったが、それよりも、上記を経てGeneral Managerとしての視点は何か、そしてその視点から見た際に、今後Tuckにおいて提供される各科目はどのように有機的に活用できるのかという点を考えるようになった点が、最大の学びだと思う。このような授業を最初のタームに置くことで、今後のファイナンスやアカウンティング等含めたTuckでの2年間の学びをGeneral Management的に吸収していく工夫がなされている点からも、TuckがGeneral Managementに強いという特徴が浮かび上がってくる、と思っている。