Tuckのカリキュラムでは、1年生冬学期までCore科目でスケジュールが埋められている。
General Management Schoolと謳っている以上、多角的にビジネスを見るための授業をきちんととらせる、というのは理にかなっているのだろう。(もちろん、QualifyされればExemptも可能)
上記方針の下、4週間という短いFall Aでも、ミクロ経済、統計、リーダーシップや戦略といった科目をぎっちり仕込まれる。(ちなみにFall B以降の学期は10週間程度の普通の長さ)
そんな中で、数字と暗記の苦手な私が最も恐れていたのは統計(Statistics for Managers)だった。
「日本人は数字に強い」「言葉のハンディがあるので、数字系の授業で貢献しないとまずい」などということを聞くと尚更、不安を感じずにはいられなかった。
しかし、結論からいうと、そんな心配は杞憂だった。
第一に、授業名からわかるように、授業の主眼は統計をいかに経営に役立てるか、ということにおいている。
「統計の専門家ではなくて、統計のユーザーを育てたい」
授業では常に、ExcelやSPSSで出てきた数字が一体どんな意味を持つのか、あるいは、経営判断をするときに、どのように統計を使えばいいのか、ということを問われる。
また、数式の意味合いも、数学的な証明による理解ではなく、直感的な概念理解に重点がおかれている。
統計/数字という言語をマネジメント言語に翻訳していくこと、数字を批判的に見て意味を理解していくこと。
単なる数式の暗記とは違って、いろんな局面で普遍的に使えるスキルを与えてくれたと思う。
二点目に、教授がとても面白くて、わかりやすい。
テストや課題が主に成績を決める統計の授業。
極論をいえば教科書を読んで理解していれば授業に出なくてもいい成績が取れる(かもしれない)、あるいは単位を取れる統計で、それでも統計の授業に来たいという気にさせる。
教授の統計への情熱、ウィットに富んだ冗談、生徒の巻き込み方・・・
授業の仕方そのものも勉強になるなあ、と思う。
そして、First Nameを覚えてくれるのはもちろん、すれ違って挨拶したときに、
「Hi, your son is so adorable! How old is he?」なんてことまで言ってくれる。
断っておくが、私はその教授のOffice Hourには行ったこともなく、子どもの話をしたこともない。
Orientationか何かで子連れのところを見かけたのだろうか。
それをきちんと覚えてくれて、声までかけてくれる。
一学期目にして、Tuckのあたたかさに触れた瞬間であった。
もちろん、すべての教授/すべての授業が素晴らしい、なんてことはないだろう。
それでも、Semester Breakを前に、次の学期で何を学べるのかが楽しみに感じられる。
そんな授業でTuckでの2年間をスタートさせることができることが、本当に幸福に思う。
ちなみに、授業は学生が統計にまつわるジョークを紹介し、教授が他のジョークで応酬することから始まります。(上記は一例)
ただし、残念ながらジョークの紹介はClass Participationにはカウントされないようなので悪しからず。。。