Fall Aのコア授業4科目の内の一つであり、教授(私のセクションはProf. Hall)が素晴らしかった事もあって、個人的に1,2番争う面白さだったManagerial Economics (通称ManEc) について。
内容はミクロ経済学の一部だが、他の科目同様に講義名の通り、経営者として知っておくべき重要なコンセプトにフォーカスを置いた内容となっている。従って、細かい理論的な話をずっと聞くような眠い授業とは程遠く、多少の講義に加え、現実社会に適用した内容の問題を解いたり、スタデイグループ単位でケースに取り組んで内容をプレゼンで発表したりと、躍動感、現実感のある授業になっている。
Fall Aは1ヶ月という事もあり、この授業では主に競争市場と独占市場という2つの大きく異なる市場における、需給の均衡や価格決定のメカニズムについて集中してカバーした。
個人的に特に面白かったのは、独占市場における価格決定戦略に関する分析。市場シェアが大きい、代替性のない商品を販売している、などの理由で売り手がパワーを持つ場合には、様々な価格決定及び販売戦略が取り得る為、どのような戦略が会社にとって望ましいかを分析する必要がある。
売上最大化と利益最大化を達成する価格が異なる事や、ある製品を複数のバージョンに分けて販売したり、包括販売する戦略 (e.g. MSのOfficeなど)などについても分析した。
日常生活でよく見かける従量課金制度、基本料金で使用無制限、その組合せの料金体系など(携帯、ケーブルテレビ、プリンター(本体+インク))に関しても、なぜそのような料金体系を取るのかに関して、企業サイドからの視点で分析をした。
自分はこれまで金融系の仕事をしていてあまりこのような分野に携わることがなかったが、Tuck卒業後は、より経営に携わっていく仕事(PE/VC/アントレ)をしていくつもりなので、授業で扱った内容は今後どこかで役立つと思いながら勉強していて、ことさら楽しかった。
期末試験前日にいつものことながら試験勉強に集中できずにネットサーフィンをしていたら、ちょうどアマゾンが新しいキンドルを発表し、類似した製品にも関わらずipadとキンドルの価格戦略が異なるという記事がFinancial Timesに掲載されていて、授業を受ける前に比べてその記事から得られる情報と、そこからできる分析の量が増えた事を実感した。
余談だが、最後のプレゼンの授業では、生徒の一人が教授のファッションを真似して登場し、笑いを誘っていた。
このように授業に対して真剣に取り組みつつ、楽しもうとする雰囲気もかなり好きなところである。
Y.I (T'14)
Y.I (T'14)